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コンタクトセンターのVOC収集と活用のポイント|顧客満足度を高める秘訣

1,はじめに

顧客の声(VOC)は、企業の成長を支える重要な情報資産です。しかし、収集しただけで活用されずに終わってしまっているケースも少なくありません。
本コラムでは、コンタクトセンターでのVOCの活用に焦点をあて、顧客満足度の向上につなげるためのポイントを詳しくご紹介します。

-NEWS-
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2,VOC収集と活用の重要性

顧客の声(VOC)を活用することは、単なるフィードバック収集にとどまらず、企業の価値や競争力を高めるための重要な取り組みです。
顧客視点での改善や信頼構築に直結するため、戦略的に取り組む意義があります。具体的な重要性としては、以下のような点が挙げられます。

【顧客ニーズの的確な把握】
実際の声から課題や期待を読み取り、社内では気づきにくい改善点を明確にできます。

【商品・サービスの質の向上】
ユーザー体験に即した見直しを重ねることで、顧客満足度の向上やクレームの減少につながります。

【競争力の強化と差別化】
顧客の声に基づく改善は、競合との差別化やスピーディな市場対応を可能にし、選ばれる理由をつくります。

【マーケティング施策の精度向上】
顧客の声から得たインサイトをマーケティングやプロモーションに反映することで、訴求力の高い施策を展開できます。

【顧客との信頼関係の構築】
声を受け止め、形にする姿勢が「聞いてもらえている」という安心感を生み、長期的な関係構築につながります。

【リピーターやファンの育成】
満足度が高まれば自然と再利用や紹介につながり、企業の安定的な成長にも寄与します。

3,コンタクトセンターにおけるVOC収集方法

コンタクトセンターにおけるVOC収集は、顧客の声を多角的に捉え、サービスの改善や商品開発、顧客満足度の向上につなげるために欠かせない取り組みです。

電話対応

コンタクトセンターにおいて、電話対応によるVOC収集は、最も一般的かつ効果的な手法の一つです。

顧客との通話内容を録音し、AIや音声認識技術を活用して自動でテキスト化することで、膨大なデータを効率的に収集・分析します。

特徴とポイント
・顧客の本音や感情を把握しやすい
・その場で深掘りや質問ができる
・緊急性の高いVOCが集まりやすい
・顧客との信頼関係を築きやすい
・受付時間・対応件数に制約がある
・システム・運用コストがかかる
・管理・分析の手間が大きい
・収集できるVOCが偏る可能性
・オペレーターの対応品質に依存

メール・チャット・チャットボット

メール、チャット、チャットボットは、従来の電話に加えて、近年多くの企業で積極的に活用されているVOC収集チャネルです。
これらは24時間365日収集でき、テキストデータとして管理しやすいメリットがあります。

特徴とポイント
・顧客対応を自動化・効率化できる
・24時間365日収集が可能
・テキストデータとして自動で蓄積できる
・顧客の率直な意見が集まりやすい
・深掘りした情報が得にくい
・回答の質や内容が限定されやすい
・利用者層が偏る可能性
・複数チャネルのデータ統合・分析が手間

顧客アンケート

顧客アンケートも、一般的かつ効果的なVOC収集方法の一つです。
コンタクトセンターの応対後に顧客へアンケートを実施し、満足度や具体的な要望・改善点を直接収集します。
アンケートはWebや電話、メールなど複数の手段で実施可能です。

特徴とポイント
・オンラインや紙媒体など様々な手法で実施可能
・比較的低コスト
・大量のデータを短期間に集めやすい
・定量・定性データの両方が得られる
・設問設計や分析に手間と専門知識が必要
・回答率の低下が課題
・自由記述欄の内容は深掘りしづらい

SNS・レビュー・口コミ

SNS・レビュー・口コミは、現代のVOC収集において非常に重要なチャネルです。
エゴサーチやテキストマイニングツールを活用し、リアルな本音を収集できます。

特徴とポイント
・顧客が自発的に発信した「生の声」を収集できる
・顧客の本音をリアルタイムに把握できる
・多様なチャネルから幅広い層の意見を収集できる
・商品やサービスの認知度や評価傾向、トレンドの変化を把握しやすい
・匿名性が高くユーザー層の特定が困難
・投稿内容が個人的な感情や一時的な意見に偏りやすい
・情報の取捨選択や真偽の見極めが重要

モニター調査・インタビュー

新商品やサービスに対する事前のモニター調査や、深掘りしたいテーマについて個別インタビューを実施する方法もあります。
モニター調査やインタビューは、顧客の声を深く理解し、商品やサービスの改善・開発に役立てるための代表的な手法です。

【特徴とポイント】
・商品やサービスのリアルな反応を直接収集できる
・顧客の本音や深掘りした意見を得やすい
・まだ市場に出ていない商品・サービスについても事前に顧客の反応を把握できる
・比較的質の高い具体的なVOCを得やすい
・調査やインタビューの実施・分析に多くの時間とコストが必要
・得られるVOCの量が限られ、大規模な傾向把握には不向き

4,効果的なVOC活用プロセス

VOCデータの整理と分析は、顧客満足度向上や商品・サービス改善のために不可欠なプロセスです。以下に、その主な流れとポイントをまとめます。

VOCデータの整理

【カテゴリー分け・分類】
収集したVOCデータを「商品機能」「価格」「使いやすさ」「サポート」などのカテゴリーに分類します。これにより、全体像や傾向を把握しやすくなります。

【量と質の評価】
各カテゴリーの件数や割合、頻度、信頼性などを評価し、重要度や優先度を判断します。

【データの一元管理】
CRMやコンタクトセンターシステムなどのツールを活用し、部署間で共有できるようにデータを一元管理します。

VOCデータの分析

【要約と抽出】
顧客の声から共通点や相違点を見つけ、顧客ニーズや不満点、満足点などを明確にします。

【テキストマイニング・感情分析】
テキストデータを分析するために、テキストマイニングや感情分析などのツールを活用し、顧客の本音や潜在的な課題を抽出します。

【定量・定性分析の組み合わせ】
アンケート結果などの定量データと、問い合わせやレビューなどの定性データを組み合わせて総合的に分析します。

【可視化と報告】
分析結果をグラフやレポートで可視化し、関係部署や経営層に分かりやすく共有します。

VOCデータの整理・分析のポイント

  • 目的を明確にし、分析の方向性を定める。
  • データの品質や信頼性を確保する。
  • ツールの活用で効率化と客観性を担保する。
  • 分析結果を全社で共有し、改善施策に反映させる。

改善施策への落とし込み

改善施策への落とし込みとは、VOC分析で得た顧客の本音を、単なる報告や共有で終わらせず、実際の業務改善や商品開発、サービス向上などの具体的なアクションに変換することを指します。

【VOC活用の基本プロセス】
VOCを効果的に活用し、実際の改善施策へつなげるプロセスは以下の通りです。

①目的の明確化
まず「何のためにVOCを活用するのか(例:顧客満足度向上、新商品開発)」を明確にし、関係者間で共通認識を持ちます。

②適切なVOCの収集
顧客との接点(タッチポイント)を意識し、必要な情報を過不足なく集める仕組みを設計します。

③分類・整理・分析
収集したVOCをジャンルやトピックごとに分類し、テキストマイニングや感情分析などを用いて傾向や課題を抽出します。

④示唆の抽出
「どこにどんな不満・要望が多いか」など、分析から得た“気づき”を明確にします。

⑤改善施策への落とし込み
抽出した示唆をもとに、具体的な改善策(例:商品改良、FAQ強化、広告クリエイティブの見直しなど)を策定します。
部署ごとにVOCを活用しやすい形で共有し、現場での実行につなげます。

⑥施策の実行と効果測定
施策を実行したら、その効果(売上増、離脱率低下、顧客満足度向上など)を必ず測定します。PDCAサイクルを回し、継続的な改善につなげましょう。

5,SprinklrによるVOC活用支援

Sprinklrは、AIを活用した統合型カスタマーエクスペリエンスマネジメント(CXM)プラットフォームです。

企業が顧客とのコミュニケーションやマーケティング活動を効率的に行うために設計されており、複数のソーシャルメディアチャネルやデジタルチャネルを一元管理できます。

SprinklrによるVOC活用支援は以下の通りです。

SNS分析とVOC収集の一元管理

Sprinklrは、企業が顧客の声を最大限に活用するために、SNS分析とVOC収集を一元管理できるAI搭載の統合プラットフォームを提供しています。
AIや自動化機能を活用し、情報の集約や分析、共有、対応まで効率化できる点が大きな特徴です。

【Sprinklrの一元管理の主な特徴】
Sprinklrの一元管理の主な特徴は以下の通りです。

【複数チャネルの統合管理】
Sprinklrは、Twitter、Instagram、Facebookなど30以上のSNSやライブチャット、メールなどのチャネルを1つのプラットフォーム上で統合管理できます。これにより、各チャネルに分散していた顧客の声を一か所に集約し、部署間でリアルタイムに情報共有が可能です。

【VOC(顧客の声)の収集と分析】
SNSやウェブ、掲示板などから顧客の声を自動で収集し、AIを活用してリアルタイム分析を行います。これにより、顧客の動向や感情、ブランドへの評価、炎上リスクなども即座に把握できます。

【ソーシャルリスニング機能】
ブランドへの言及や顧客感情を追跡するソーシャルリスニングツールを搭載。顧客の投稿やフィードバックを自動でモニタリングし、必要なアクションを迅速に取ることができます。

【AIによる自動抽出と対応支援】
AIが対応すべき重要な顧客の声のみを抽出し、FAQや自動応答機能でスマートな対応を支援します。過去の問い合わせ履歴なども一元的に把握でき、顧客ごとに最適な対応が可能です。

【分析ダッシュボードとレポーティング】
分析結果はダッシュボードで可視化され、部署間でリアルタイム共有が可能。ブランドの評判や顧客体験の改善に役立つインサイトを迅速に得ることができます。

【Sprinklrの一元管理による主なメリット】

  • 顧客の声を漏れなく収集し、迅速な意思決定とアクションが可能
  • 部署間の情報共有がスムーズになり、組織全体で顧客体験を向上
  • 炎上リスクやブランド毀損リスクを自動で検知・対応
  • 複数のSNSやチャネルを個別に管理する手間やコストを大幅に削減

リアルタイムでの傾向把握

リアルタイムでの傾向把握とは、SNSやチャット、メールなど複数チャネルから集めた顧客の声を、AIや自動化技術を活用して即時に分析し、現在進行中のトレンドや問題の兆候をその場で把握することを指します。

SprinklrのリアルタイムVOC傾向把握は、単なるデータ収集にとどまらず、AIと自動化を活用した即時分析・アクションで、顧客満足度向上や企業競争力の強化に直結する仕組みです

【Sprinklrのリアルタイム傾向把握の主な特徴】
Sprinklrのリアルタイム傾向把握の主な特徴は以下の通りです。

【ダッシュボードでの即時可視化・分析】
Sprinklrは、SNS投稿や顧客の声をリアルタイムでダッシュボードに集約し、投稿数の急増やポジティブ・ネガティブな書き込みの傾向を即座に可視化します。これにより、炎上リスクや新たなトレンド、問題発生の兆候を素早く捉えることができます。

【AIによる自動分類とインサイト抽出】
AIが投稿や会話内容を自動で分類し、対応が必要な声のみを抽出します。また、会話データから共通テーマやセンチメント(感情)の変化、未発見の問い合わせ原因なども即時に発見可能です。

【アラート通知と迅速なアクション】
問題が発生した際は、AIが自動でスーパーバイザなどにアラートを送信し、現場が即座に対応できる体制を構築します。

【競合・市場動向の同時把握】
競合他社や市場全体の動向も同時にモニタリングし、自社のブランド評価や業界トレンドもリアルタイムで把握できます。

【リアルタイム傾向把握のメリット】

  • 顧客の不満やクレームの兆候を早期発見し、迅速な対応で炎上やブランド毀損を防止
  • 新商品やキャンペーンへの反響を即座に分析し、マーケティングや商品改善に活用
  • 競合他社の動向をリアルタイムで把握し、迅速な意思決定や差別化戦略に活用
  • 部署間で情報を即時共有し、顧客体験の向上と業務効率化を実現

6,まとめ

コンタクトセンターはVOCの宝庫です。電話・メール・チャット・SNSなど多様なチャネルを活用し、顧客の声を漏れなく収集することが重要です。そして、収集した情報を現場や経営に活かす「仕組み化」が顧客満足度向上のカギ。VOCは「聴いて終わり」ではなく、「活かして価値に変える」ことが真の目的です。何気ないフィードバックの中にも、顧客体験をより良くするためのヒントがあります。その一つひとつを大切にすることが、選ばれる理由につながっていくのではないでしょうか。

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