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コールセンターシステムの進化と未来への展望

2024.01.11

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近年、テクノロジーの急速な進化により、ビジネスのあらゆる分野で効率と生産性が向上しています。その中でも、コールセンターシステムは顧客対応や業務効率向上において重要な役割を果たしています。本コラムでは、コールセンターシステムの進化と将来の展望について考察してみましょう。

コールセンターシステムの歴史と進化

コールセンターシステムとは、電話を使ってお客様とのコミュニケーションを支援するITシステムのことです。その歴史は、電話サービスの発展とともに歩んできました。ここでは、コールセンターシステムの誕生と進化の歴史を時代ごとに解説します。

電話の普及とコールセンターの誕生

コールセンターシステムのルーツは、1890年に日本で始まった電話番号案内サービスに遡ります。このサービスは、逓信省が開始し、1952年に日本電信電話公社(電電公社)に引き継がれました。このとき、電話番号案内の番号が「104」に統一されました。この「104」は、現在でも機能しています。

戦後、電話機の普及は目覚ましく、企業や団体はもちろん、1960年代には一般の家庭でも使われるようになりました。1970年代には家庭用電話機の導入が50%を超え、ビジネスにおいても、生活においても重要なコミュニケーション機能となりました。

1980年代になると、企業では、お客様からの問い合わせや相談、苦情などが電話を介して寄せられるようになり、効率化のために、窓口の一本化を開始しました。これが「コールセンター」となります。「サポートセンター」「お客様窓口」「カスタマーセンター」などとも呼ばれます。電話セールスやテレアポイント目的に電話を利用する企業も現れました。

さらに、企業に代わって、お客様からの電話対応を代行するサービスも現れます。電話口での対処はお客様への印象を大きく左右するため、訓練された女性スタッフにまかせようという動きです。これら代行サービスも「コールセンター」と呼ばれます。

コールセンターシステムの誕生と進化

音声電話のみでお客様とやり取りしていた時代、まだアナログですべてを手作業に頼っていました。これが1990年代に大きな技術革新を迎えます。コールセンターにCTIが導入されたのです。

CTIとはComputer Telephony Integrationの略で、内線をコントロールする構内交換機(PBX)がデジタル化され、コンピュータとの融合が可能となりました。これにより、アナログだったさまざまな作業をシステムが代行できるようになります。

代行されるようになった機能は以下のとおりです。

  • ACD:Automatic Call Distributor 電話回線を取りまとめて空いているオペレータに着信を割り振る
  • 発信電話番号表示 ナンバーディスプレイ(発信電話番号表示)の機能を利用し着信した電話番号から顧客情報を検索
  • コールエスカレーション 上位のスタッフに通話を転送
  • IVR:Interactive Voice Response 自動音声応答

またオペレータは電話機を利用することなく、ヘッドセットを付け、パソコン上で操作することになります。今よく見られるコールセンターのイメージは、この時代に確立されました。

コールセンターシステムを活用したCRM

コールセンターシステムの導入された1990年代、コールセンターの性格も大きく変わっていきます。CRM(Customer Relationship Management =顧客関係管理)の概念がコールセンターシステムに取り入れられ、顧客満足度の向上を支援するようになります。

電話対応だけではなく、お客様に気に入られるような対応を目指し、満足度を上げようというものです。このため、取り入れられたのが顧客関係管理(CRM)機能です。属性やアクション履歴などを記録し、一元管理できるデータベース機能を搭載しました。

コールセンターシステムに追加された機能は以下のとおりです。

  • 属性やアクション履歴などを記録
  • 顧客情報の一元管理
  • スクリーンポップアップ機能
  • 検索機能

さらに、音声電話だけではなく、郵便、インターネットメール、FAXなどにも対応する統合的な「コンタクトセンター」として機能するようになりました。

BI(ビジネスインテリジェンス)の活用

近年はデータの活用がコールセンターの競争力を左右する重要な要素になっています。そこで、BI(ビジネスインテリジェンス)という手法が注目されています。

BIとは、企業の情報システムなどで蓄積される膨大な業務データを、利用者が自らの必要に応じて分析・加工し、業務や経営の意思決定に活用する手法のことです。そのためのソフトウェアや情報システムをBIツールやBIシステムと呼びます。

コールセンターでBIを活用することで、どのようなメリットがあるのでしょうか。例えば、以下のようなことが挙げられます。

  • 顧客満足度の向上:コールセンターに寄せられる問い合わせやクレームのデータをBIツールで分析することで、顧客のニーズや傾向を把握し、より適切な対応やサービスの改善につなげることができます。
  • 業務効率化の促進:コールセンターのオペレーターやSVの業務データをBIツールで集計・分析することで、業務の状況や課題を可視化し、業務の最適化や改善策の検討に役立てることができます。
  • 経営戦略の支援:コールセンターのデータを他のシステムのデータと統合してBIツールで分析することで、コールセンターの業績や貢献度を評価し、経営層の意思決定に有益な情報を提供することができます。

コールセンターの未来は、データを活用して顧客との関係を強化し、業務を効率化し、経営を支援するという方向に向かっていると言えるでしょう。そのためには、BIの導入や活用が不可欠です。しかし、BIには導入コストや運用スキルなどの課題もあります。そのため、自社のニーズや目的に合ったBIツールやBIシステムを選定し、導入・運用することが重要です。

リモートワーク時代のコールセンターシステム

新型コロナウイルスの感染拡大により、多くの企業や組織がテレワークやリモートワークを導入しました。これは、感染防止のためだけでなく、働き方改革や生産性向上のためにも有効な手段です。

コールセンター業界も例外ではありません。コールセンターは、顧客とのコミュニケーションを担う重要な部門ですが、従来のオフィスベースのシステムでは、リモートワークに対応するのが困難でした。そこで、コールセンターシステムの見直しが必要になりました。

ここでは、リモートワーク時代のコールセンターシステムの特徴やメリット、デメリット、導入のポイントなどについて解説します。

リモートワーク時代のコールセンターシステムとは

リモートワーク時代のコールセンターシステムとは、オペレーターが自宅や外出先など、オフィス以外の場所で顧客対応ができるようにしたシステムのことを指します。これにより、オペレーターは自分の好きな場所や時間で働くことができます。

リモートワーク時代のコールセンターシステムを実現するには、クラウド型のコールセンターシステムを利用するのが一般的です。クラウド型のコールセンターシステムとは、インターネット上にあるサーバーにコールセンターの機能を集約したシステムです。オペレーターは、PCやスマホ、インターネット環境があれば、どこでも電話応対が可能になります。

クラウド型のコールセンターシステムの例として、COTOHA® Call CenterやCloud Contact Centerなどが挙げられます。これらのシステムは、高いセキュリティや品質を保ちながら、低コストで導入できるという特徴があります。

リモートワーク時代のコールセンターシステムのメリット

リモートワーク時代のコールセンターシステムのメリットとして、以下のような点が挙げられます。

感染症や災害などのリスクに対応できる

リモートワーク時代のコールセンターシステムを導入することで、感染症や災害などのリスクに対応できます。オペレーターが密集するオフィスに出勤する必要がなくなるため、感染症の拡大を防ぐことができます。また、災害などでオフィスが利用できなくなっても、オペレーターは自宅や他の場所から業務を継続できます。これにより、顧客へのサービスの中断を最小限に抑えることができます。

オペレーターの採用や配置の柔軟性が高まる

リモートワーク時代のコールセンターシステムを導入することで、オペレーターの採用や配置の柔軟性が高まります。オペレーターは、自分の居住地や通勤時間に関係なく、コールセンターの業務に従事できます。これにより、地方や海外の人材を活用したり、障害や育児などでオフィスに出勤できない人材を採用したりすることができます。また、オペレーターのスキルやニーズに応じて、柔軟に業務を割り振ることができます。

オペレーターのモチベーションや生産性が向上する

リモートワーク時代のコールセンターシステムを導入することで、オペレーターのモチベーションや生産性が向上する可能性があります。オペレーターは、自分の好きな場所や時間で働くことができるため、ワークライフバランスや自己管理能力が向上するかもしれません。また、オフィスの騒音やストレスから解放されることで、快適に業務に集中できるかもしれません。さらに、クラウド型のコールセンターシステムは、オペレーターの業務状況や成果をリアルタイムに把握できる機能を備えているため、フィードバックや評価が容易になるかもしれません。

コスト削減や環境負荷の軽減につながる

リモートワーク時代のコールセンターシステムを導入することで、コスト削減や環境負荷の軽減につながる可能性があります。オペレーターがオフィスに出勤しなくなることで、オフィスの維持費や通勤費などの経費を削減できるかもしれません。また、クラウド型のコールセンターシステムは、オンプレミス型のシステムに比べて、初期投資や運用費用が低いという特徴があります。さらに、オフィスの電力消費やCO2排出量を減らすことで、環境にやさしい働き方を実現できるかもしれません。

まとめ

コールセンターシステムは、電話サービスの発展とともに歴史を重ね、CTIやCRM、BIなどの技術革新によって進化を続けてきました。近年は、新型コロナウイルスの感染拡大により、リモートワーク時代のコールセンターシステムが注目されています。リモートワーク時代のコールセンターシステムには、感染症や災害などのリスクに対応できる、オペレーターの採用や配置の柔軟性が高まる、オペレーターのモチベーションや生産性が向上するといったメリットがあります。しかし、コミュニケーションや管理、セキュリティや品質の確保といった課題もあります。コールセンターシステムは、顧客とのコミュニケーションを担う重要な部門です。そのため、時代の変化に合わせて、コールセンターシステムの進化と未来への展望を常に考えることが必要です。