コールセンターシステムってどんな機能があるの?
2024.01.11
ブログコールセンターシステムとは、顧客からの問い合わせや案内などの電話対応業務を効率化・高品質化するためのシステムです。コールセンターシステムには、様々な機能が搭載されており、それぞれにメリットがあります。ここでは、コールセンターシステムでよく利用される機能について解説します。
CTIシステムの機能
コンピューターと電話を統合する技術のことです。CTIシステムは、コールセンターやコンタクトセンター内での通話をコンピューターと連携し、業務をサポートするさまざまな機能を提供するシステムです。
CTIを利用することで、顧客の電話番号や通話内容をコンピュータで管理したり、顧客の要望に応じて自動的に音声ガイダンスや適切な担当者に転送したりすることができます。CTIは、コールセンターやサポートセンターなどの顧客対応業務において、効率化や品質向上に貢献します。
CTIには、以下のような主な機能があります。
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ACD(Automatic Call Distribution)
日本語では「自動着信呼分配」または「自動コール配分」と呼ばれるもので、顧客からコールセンターへのコール(着信呼)を、設定されたルールに従って電話オペレーター(レップ)に分配する装置(機能)です。
ACDは、コールセンター業務において欠かせないシステムのひとつです。コールセンターには、1日に数百件、数千件の着信がある場合も少なくありません。ACDを導入することで、オペレーターの稼働状況やスキル、顧客の問い合わせ内容などを考慮して、着信を効率的に振り分けることが可能になります。
ACDの基本的な機能としては、以下のようなものが挙げられます。
- 着信呼の受信
- オペレーターの稼働状況の監視
- 着信呼のルーティング(分配)
- 着信呼の記録・分析
ACDのルーティング方法には、以下のようなものがあります。
- 順番ルーティング:着信順にオペレーターに分配する方法
- スキルベースルーティング:オペレーターのスキルや経験を考慮して分配する方法
- 時間帯ルーティング:時間帯や曜日ごとにオペレーターを割り当てる方法
- キュールーティング:着信呼を複数のキューに分けて、オペレーターに分配する方法
ACDは、コールセンターの業務効率化や顧客満足度の向上に大きく貢献するシステムです。近年では、クラウド型のACDも登場しており、導入のハードルも下がってきています。
ACDを導入する際には、自社のコールセンターの特徴やニーズを踏まえて、適切な機能を備えたシステムを選ぶことが重要です。
具体的なメリットとしては、以下のようなものが挙げられます。
- オペレーターの稼働状況をリアルタイムに把握し、適切なオペレーターに着信を割り当てることで、待ち時間を短縮することができる。
- オペレーターのスキルや経験を考慮して着信を割り当てることで、顧客の問い合わせをより迅速かつ適切に解決することができる。
- 着信呼の記録・分析によって、コールセンターの業務状況を把握し、改善につなげることができる。
- ACDを導入することで、コールセンターの業務効率化と顧客満足度の向上を実現することができます。
ACDを導入することで、コールセンターの業務効率化と顧客満足度の向上を実現することができます。
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IVR(Interactive Voice Response)
日本語で「自動音声応答」と呼ばれるもので、顧客からの電話にコンピューターが自動で応対し、指定のメッセージを再生したり、電話越しに番号をプッシュさせて問い合わせ内容を振り分け、適切なオペレーターや部署に電話を転送したりするシステムです。
IVRの基本的な機能としては、以下のようなものが挙げられます。
- 音声メッセージの再生:あらかじめ録音した音声メッセージを再生する。
- 番号プッシュによる問い合わせ内容の振り分け:電話越しに番号をプッシュさせることで、問い合わせ内容を振り分ける。
- オペレーターへの転送:問い合わせ内容に応じて、適切なオペレーターや部署に電話を転送する。
IVRは、コールセンターやコンタクトセンターの業務効率化や顧客満足度の向上に大きく貢献するシステムです。
具体的なメリットとしては、以下のようなものが挙げられます。
- 待ち時間の短縮:IVRを利用することで、顧客はオペレーターにつながるまでの待ち時間を短縮することができます。
- 顧客対応の効率化:オペレーターは、IVRを利用して顧客の問い合わせ内容をある程度把握した状態で対応することができるため、業務効率化につながります。
- 顧客満足度の向上:IVRを利用することで、顧客は24時間365日、いつでも問い合わせをすることができます。また、IVRの音声メッセージやオペレーターの応対の品質を向上させることで、顧客満足度の向上につながります。
IVRは、さまざまな業界や環境で導入されており、その用途は多岐にわたります。
例えば、以下のような用途で利用されています。
- コールセンターの受付
- 商品やサービスの案内
- 問い合わせ内容の振り分け
- アンケート調査
- 顧客サポート
IVRは、顧客とのコミュニケーションを円滑にし、業務の効率化と顧客満足度の向上に大きく貢献するシステムです。
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通話の録音機能
オペレーターと顧客の通話内容を録音する機能です。着信・発信、内線・外線を問わず、全ての通話内容を録音することができます。
この機能には、以下のようなメリットがあります。
- トラブル防止やスムーズな対応:顧客との会話を証拠として残せるため、言った言わないの争いを防げます。また、録音した内容を後から確認できるため、忘れたり聞き逃したりした場合にも対応できます。
- 聞き逃しの防止:録音した内容をあとで再確認できるため、折り返し連絡の必要がなくなります。また、録音した内容を社内で共有できるため、情報の伝達ミスを減らせます。
- 応対品質の向上:録音した内容を聞きながら、オペレーターの話し方や対応の改善点を把握できます。また、音声認識や感情分析などの機能と組み合わせることで、通話内容の分析やフィードバックができます。
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クリックトゥーコール
ウェブブラウザ上で顧客の電話番号をクリックするだけで、自動的に電話をかけることができる機能です。
クリックトゥーコールのメリットは、以下のとおりです。
- 電話番号の入力間違いを防ぐことができる
- 電話発信のスピードを向上させることができる
- 架電業務の効率化を図ることができる
クリックトゥーコールは、コールセンターや営業、カスタマーサービスなど、電話を多く利用する業務で活用されています。
問い合わせ管理システム・CRMシステム
顧客の情報や問い合わせの履歴などを一元管理するシステムです。
問い合わせ管理システムやCRMシステムには、以下のような機能があります。
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問い合わせの一元管理機能
メールや電話、Webフォーム、チャットなど、さまざまな経路からの問い合わせ内容やその履歴を一元的に管理する機能です。
従来、問い合わせ管理は、エクセルシートを活用して行われることが一般的でした。しかし、エクセルでは、複数のチャネルからの問い合わせを統合して管理することが難しく、対応漏れやミスのリスクが高まります。また、問い合わせの履歴を参照するのにも手間がかかるため、顧客の要望に迅速かつ的確に対応することも難しくなります。
問い合わせの一元管理機能を備えたコールセンターシステムを導入することで、これらの課題を解決することができます。
問い合わせの一元管理機能の具体的なメリットは、以下のとおりです。
- 問い合わせの対応漏れやミスを防ぐことができる
- 対応までの時間を短縮することができる
- 顧客の要望に迅速かつ的確に対応することができる
- 業務効率を向上させることができる
問い合わせの一元管理機能は、コールセンターの業務効率化や顧客満足度の向上に欠かせない機能です。
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チケット管理(ステータス管理)機能
顧客からの問い合わせや要望をチケットとして一元管理する機能です。チケットには、問い合わせの種類、内容、ステータス、対応者、対応時間などの情報が記録されます。
チケット管理機能の目的は、問い合わせや要望の対応状況を可視化・効率化することにより、顧客満足度の向上と業務の改善を図ることです。具体的には、以下のメリットが期待できます。
- 問い合わせの対応漏れや遅延を防ぐ
- 問い合わせの優先順位を明確にする
- 対応状況をデータとして分析し、業務改善につなげる
チケット管理機能には、以下の主な機能があります。
- チケットの作成・登録
- チケットのステータス管理
- チケットの優先順位付け
- チケットの担当者・担当部署の割り当て
- チケットの履歴管理
チケットの作成・登録では、問い合わせの種類、内容、担当者などの情報を入力します。ステータス管理では、問い合わせの対応状況を「未対応」、「対応中」、「対応済み」など、あらかじめ定義されたステータスで管理します。優先順位付けでは、問い合わせの緊急度や重要度に応じて、優先順位を設定します。担当者・担当部署の割り当てでは、問い合わせを対応するオペレーターや部署を指定します。履歴管理では、問い合わせに対する対応内容ややり取りの履歴を記録します。
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顧客情報管理機能
顧客の基本情報や購買履歴、問い合わせ履歴などを一元管理する機能です。顧客の属性や行動履歴を把握することで、顧客のニーズを的確に把握し、より質の高い対応を実現することができます。
具体的には、以下の機能を備えています。
- 顧客基本情報の登録・管理
- 購買履歴の登録・管理
- 問い合わせ履歴の登録・管理
- 顧客情報の検索・参照
- 顧客情報の分析
顧客基本情報には、氏名、住所、電話番号、メールアドレスなどの個人情報や、企業名、役職、担当者などの属性情報が含まれます。購買履歴には、購入した商品やサービス、購入金額、購入頻度などの情報が含まれます。問い合わせ履歴には、問い合わせの種類、問い合わせ内容、対応結果などの情報が含まれます。
これらの情報を一元管理することで、オペレーターは顧客の状況を把握し、適切な対応を行うことができます。また、顧客情報の分析を行うことで、顧客のニーズや傾向を把握し、マーケティングや営業活動に活用することができます。
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返信テンプレート機能
顧客からのお問い合わせや問い合わせに対して、あらかじめ用意されたテンプレートを使って返信する機能です。この機能により、コールセンターオペレーターは、顧客の問い合わせ内容に合わせてテンプレートを選択し、必要に応じて内容を修正するだけで、迅速かつ正確な返信を行うことができます。
FAQシステム
FAQ(よくある質問)システムとは、顧客やオペレーターが疑問を自己解決できるようにするシステムです。FAQシステムには、以下のような機能があります。
- FAQコンテンツの作成機能:よくある質問に関する質問と回答を作成する機能です。画像の挿入や文字の装飾などができます。
- FAQコンテンツの検索機能:FAQコンテンツをキーワード検索やカテゴリ検索などで探せるようにする機能です。
- レポーティング機能:FAQでよく検索されているキーワードやヒットしないキーワードなど、FAQでの回答到達率を高めるために必要な分析が行える機能です。
FAQシステムは、顧客が問い合わせをする前に自己解決できるようにしたり、オペレーターが問い合わせ対応時に回答例を参照できるようにしたりすることで、問い合わせの削減や対応の高速化に貢献します。
チャットシステム
チャットシステムとは、Web上での問い合わせやコミュニケーションを効率化するシステムです。チャットシステムには、以下のような機能があります。
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社外向け有人チャット機能
オペレーターがチャットを使って顧客の問い合わせや質問にリアルタイムで対応する機能です。電話による対応と比べて、顧客の都合に合わせて時間を気にせずに問い合わせができるというメリットがあります。また、オペレーターが顧客の状況を把握しながら対応できるため、より丁寧な応対が可能になります。
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社外向けチャットボット機能
AIやシナリオルールベースを用いて、顧客の問い合わせや質問に自動で回答する機能です。よくある質問や手続きの案内など、定型的な問い合わせには特に効果的です。また、24時間365日対応できるため、顧客の利便性を高めることができます。
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社内向けチャット機能
コールセンターのオペレーター同士や、コールセンターと他の部署との間で、チャットを使ってコミュニケーションを取る機能です。電話やメールに比べて、迅速かつ効率的に情報共有や連絡を行うことができます。また、チャットログを残しておくことで、後から履歴を確認することもできます。
コールセンターシステムの録音データ管理
近年、ビジネス環境の変化に伴い、コールセンターは企業において顧客との重要なコミュニケーションハブとして不可欠な存在となっています。お客様との円滑な対話や問題解決において、録音データは貴重な資源であり、その適切な管理方法が業務の効率性や法的コンプライアンスに直結します。本記事では、コールセンターでの録音データの保存期間中の管理方法に焦点を当て、企業がこれらのデータを適切かつ効果的に活用するためのベストプラクティスについて解説します。
コールセンターでは、顧客との通話を録音データとして保存することが一般的です。これにより、通話内容の品質向上やトラブル発生時の証拠として活用することができます。特に、クラウドPBXを導入することで、録音データの長期保存が可能となり、顧客の情報を効果的に管理することができます。また、クラウド環境では、セキュリティ対策が施されており、データの漏洩リスクを最小限に抑えることができます。
1. 録音データの保存期間
録音データの保存期間は、各国の法規制や企業のポリシーによって異なりますが、一般的には以下のようなガイドラインが設けられています。
- 顧客との通話内容: 1年以上~3年程度
- 個人情報を含む録音データ: 5年以上
- クレジットカード情報を含む録音データ: 7年以上
録音データの保存期間は、法規制や企業のポリシーを遵守するだけでなく、以下のような点も考慮する必要があります。
- データの重要性: トラブル発生時の証拠となる可能性が高い録音データは、より長い期間保存する必要があります。
- ストレージ容量: 録音データは膨大な容量になるため、保存期間を適切に設定することで、ストレージ容量を節約することができます。
- 検索性: 必要に応じて録音データを迅速に検索できるように、適切なメタデータを設定する必要があります。
2. 録音データの管理方法
録音データを効率的に管理するためには、以下のような方法が有効です。
- 録音データ管理システムの導入: 録音データの保存、検索、削除などを一元的に管理できるシステムを導入することで、業務効率を大幅に向上させることができます。
- 録音データの分類: 顧客ID、通話日時、担当者など、適切な基準で録音データを分類することで、必要なデータを迅速に検索することができます。
- アクセス権限の設定: 録音データへのアクセス権限を適切に設定することで、情報漏洩のリスクを軽減することができます。
- 定期的な監査: 録音データの保存状況やアクセス状況を定期的に監査することで、不正アクセスやデータの破損を防ぐことができます。
3. 録音データのコンプライアンス
録音データは個人情報を含む場合が多いため、その取り扱いには十分注意する必要があります。特に、GDPR(EU一般データ保護規則)などの法規制を遵守することが重要です。
- 顧客の同意: 録音を行う前に、顧客に同意を得ることが必要です。
- データの匿名化: 個人を特定できる情報は、可能な限り匿名化処理する必要があります。
- データのセキュリティ: 録音データは厳重に管理し、不正アクセスや漏洩を防ぐ必要があります。
4. 録音データの活用
録音データを適切に活用することで、以下のようなメリットを得ることができます。
- 顧客対応の品質向上: 録音データを分析することで、顧客対応の改善点を見つけることができます。
- トラブル対応の迅速化: 録音データを証拠として活用することで、トラブルを迅速かつ円滑に解決することができます。
- オペレーターの教育: 録音データを活用することで、オペレーターの教育・指導に役立てることができます。
- 新サービスの開発: 録音データを分析することで、顧客のニーズを把握し、新たなサービスを開発することができます。
まとめ
コールセンターシステムは、顧客からの問い合わせや案内などの電話対応業務を効率化・高品質化するために欠かせないシステムです。さまざまな機能を利用することで、コールセンターの業務のスピードや精度を向上させることができます。また、顧客のニーズや満足度を把握し、より良いサービスを提供することができます。コールセンターシステムを導入することで、コールセンターの業務効率化と顧客満足度の向上を同時に実現することができます。コールセンターシステムの導入は、今や必須と言えるでしょう。