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コールセンターの応対品質について改めて考え直してみる – 評価方法や評価ポイントなど

2023.10.29

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コールセンターの応対品質向上は、企業にとって重要な課題の一つです。顧客満足度の向上や、社員のモチベーションアップ、さらには企業のブランドイメージの向上にもつながるためです。

これまで、コールセンターの応対品質向上には、応対マニュアルの整備や、オペレーターへの研修の実施などの取り組みが行われてきました。しかし、近年では、顧客のニーズが多様化・複雑化する中で、従来の取り組みだけでは十分な効果が得られなくなってきているという指摘もあります。

そこでコールセンターの応対品質について最初から考え直してみましょう。

コールセンターの応対品質とは、顧客からの問い合わせに対して、オペレーターが適切な対応ができているかを表す指標です。具体的には、以下の要素が評価されます。

 ● 顧客のニーズを正確に把握できているか
 ● 適切な言葉遣いやマナーで対応できているか
 ● 顧客の状況や立場に配慮した対応ができているか
 ● 迅速かつ的確な回答や解決策を提案できているか
 ● 顧客に満足感を与えられる対応ができているか

● 顧客のニーズを正確に把握できているか
顧客のニーズを正確に把握できなければ、適切な対応や解決策を提案することはできません。そのため、顧客の用件を丁寧にヒアリングし、その背景にあるニーズを理解することが大切です。

もし、顧客のニーズを正確に把握できていないと、以下のような問題が出てくる可能性があります。

  • 顧客が求めている回答や解決策を提供できない
  • 顧客の要望を満たすことができない
  • 顧客の不満やクレームを招く
  • 顧客の信頼を失う

例えば、商品の故障に関する問い合わせで、顧客が「商品が動かない」と伝えたとします。オペレーターが「故障ですね」と回答して、その後の対応を進めたとします。しかし、顧客が「商品が動かないのは、電源が入っていなかったから」と考えている場合、オペレーターは顧客のニーズを正確に把握できていないことになります。この場合、顧客はオペレーターの対応に不満を抱き、信頼を失う可能性があります。

● 適切な言葉遣いやマナーで対応できているか
電話は、非対面でコミュニケーションを行うため、言葉遣いやマナーが重要となります。丁寧でわかりやすい言葉遣い、適切な挨拶や結びの言葉を使い、顧客に気持ちよく対応することが大切です。

もし、適切な言葉遣いやマナーで対応できていないと、以下のような問題が出てくる可能性があります。

  • 顧客に不快感を与える
  • 顧客の印象を悪くする
  • 顧客の信頼を失う

例えば、顧客が商品の不具合について問い合わせたとします。オペレーターが「その件はわかりません」とそっけなく回答したとします。この場合、顧客はオペレーターの対応に不快感を抱き、印象を悪くする可能性があります。

● 顧客の状況や立場に配慮した対応ができているか
顧客は、様々な状況や立場から問い合わせやクレームを寄せている可能性があります。そのため、顧客の状況や立場を理解し、その上で適切な対応をすることが大切です。

もし、顧客の状況や立場に配慮した対応ができていないと、以下のような問題が出てくる可能性があります。

  • 顧客のニーズを満たすことができない
  • 顧客の不満やクレームを招く
  • 顧客の信頼を失う

例えば、夜遅くに商品の故障に関する問い合わせがあったとします。オペレーターが「申し訳ありませんが、現在お問い合わせを受け付けていません。明日の営業時間にお電話ください」と回答したとします。この場合、顧客はオペレーターの対応に不満を抱き、信頼を失う可能性があります。

● 迅速かつ的確な回答や解決策を提案できているか
顧客は、迅速かつ的確な対応を求めています。そのため、顧客の用件を早急に把握し、その場で回答や解決策を提案することが大切です。

もし、迅速かつ的確な回答や解決策を提案できていないと、以下のような問題が出てくる可能性があります。

  • 顧客の時間を無駄にする
  • 顧客の不満やクレームを招く
  • 顧客の信頼を失う

例えば、商品の故障に関する問い合わせで、オペレーターが「故障ですね。修理に出すには、まずメーカーに連絡してください」と回答したとします。しかし、オペレーターがすぐに修理業者を案内できていれば、顧客はすぐに問題を解決できたはずです。この場合、顧客はオペレーターの対応に不満を抱き、信頼を失う可能性があります。

● 顧客に満足感を与えられる対応ができているか
コールセンターは、顧客と企業をつなぐ窓口です。そのため、顧客に満足感を与えられる対応をすることが大切です。

もし、顧客に満足感を与えられる対応ができていないと、以下のような問題が出てくる可能性があります。

  • 顧客の不満やクレームを招く
  • 顧客の信頼を失う
  • 企業のブランドイメージを損なう

例えば、商品の不具合に関する問い合わせで、オペレーターが「申し訳ありませんが、その件はわかりません」と回答したとします。この場合、顧客はオペレーターの対応に不満を抱き、信頼を失う可能性があります。また、企業のブランドイメージにも悪影響を及ぼす可能性があります。

コールセンターの応対品質は、顧客満足度の向上につながります。顧客満足度が高い企業は、顧客から再購入や追加購入をしてもらったり、口コミで良い評判を広めてもらったりすることができます。また、コールセンターの応対品質は、企業のブランドイメージの向上にもつながります。

対応品質が重要な理由

対応品質が重要な理由は、以下のとおりです。

■ 顧客満足度の向上につながる

対応品質が高いと、顧客は企業やサービスに対して満足感を抱くようになります。顧客満足度が高い企業は、顧客から再購入や追加購入をしてもらったり、口コミで良い評判を広めてもらったりすることができます。

■ 企業のブランドイメージの向上につながる

対応品質は、企業のブランドイメージを左右する重要な要素です。対応品質が高い企業は、顧客から信頼され、好感を持たれやすくなります。

■ 業務効率化につながる

対応品質が低いと、顧客からのクレームやトラブルが発生する可能性があります。クレームやトラブルが発生すると、企業は対応に時間や労力を費やすことになり、業務効率が低下します。

■ 新規顧客の獲得につながる

対応品質が高いと、顧客は企業やサービスに対して好印象を抱くようになります。好印象を抱いた顧客は、友人や知人に企業やサービスを勧めてくれる可能性が高くなります。

このように、対応品質は企業にとって非常に重要な要素です。対応品質を向上させることで、顧客満足度の向上、企業のブランドイメージの向上、業務効率化、新規顧客の獲得などのメリットが期待できます。

コールセンターの応対品質向上に向けた具体的な施策

コールセンターの応対品質を高めるためには、いくつかの重要な点を押さえる必要があります。まず、応対品質の管理とモニタリングを徹底し、定期的に通話内容をチェックすることが求められます。これにより、オペレーターが適切な対応をしているかを確認し、改善点を洗い出すことができます。

品質管理の導入と役割

応対品質の管理には、品質管理システムの導入が不可欠です。このシステムは、通話内容のモニタリングやフィードバックの提供、対応の評価と改善を行うためのものです。コールセンターの運営には、多くの担当者が関わりますが、それぞれの役割を明確にすることが重要です。設定された基準に基づいて、各オペレーターのパフォーマンスをチェックし、定期的にフィードバックを行います。

モニタリングとフィードバックの活用

定期的なモニタリングは、品質向上にとって非常に重要です。コールセンターの運営では、通話内容の録音やリアルタイムでの監視を行い、オペレーターの対応を確認します。これにより、顧客のニーズに応じた適切な対応ができているかを評価することができます。また、フィードバックを活用し、オペレーターのスキル向上を図ります。

アンケートと解説

顧客の声を直接反映するために、アンケートの活用も効果的です。対応後に顧客からのアンケートを収集し、満足度や改善点を把握します。これにより、具体的な改善施策を講じることができます。また、オペレーターに対しては、具体的な事例を基にした解説を行い、理解を深めます。

必要な項目の設定と確認

品質評価の項目を明確に設定し、それに基づいて定期的に確認することも重要です。例えば、顧客対応の迅速さ、正確さ、丁寧さなどを評価基準として設定します。これにより、オペレーターの強みと弱みを把握し、必要なトレーニングやサポートを提供することができます。

コールセンター運営の多面的なチェック

コールセンターの運営では、複数の者が関与するため、全体的な品質管理が求められます。定期的なミーティングを開催し、担当者間で情報を共有し、課題の解決に向けた取り組みを行います。また、第三者機関によるモニタリングや外部フィードバックの活用も視野に入れ、より客観的な評価を得ることが大切です。

コールセンターは、企業と顧客をつなぐ重要な窓口です。応対品質が向上すれば、顧客満足度が上がり、企業のブランドイメージにも好影響を与えます。
そこで今回は、コールセンターの応対品質向上のコツをご紹介します。

コールセンターで応対品質を向上させる方法は、大きく分けて以下の3つがあります。

 応対品質の評価方法を設定する

 応対品質の改善策を実施する

 応対品質の管理体制を整える

それぞれについて詳しく見ていきましょう。

応対品質の評価方法を設定する

応対品質を向上させるためには、まず現状の応対品質を客観的に測定する必要があります。そのためには、評価方法を明確に設定することが重要です。

評価方法としては、以下のようなものがあります。

■ モニタリングスコア:

モニタリングスコアとは、オペレーターが顧客対応を行った際に、上司や品質管理部門が監視・評価を行い、評価基準に基づいて採点するスコアのことを指します。

モニタリングスコアは、オペレーターが顧客に対して適切なサービスを提供しているかどうかの応対品質の指標となります。モニタリングスコアが高い場合、顧客が満足するサービスを提供できていると考えられます。

モニタリングスコアの評価基準は、コールセンターごとに異なりますが、一般的には以下の項目が評価されます。

  • 第一声:顧客からの電話を受けた時の第一声
  • 顧客ニーズ把握:顧客の要望を正確に把握できているか
  • 回答・解決策:適切な回答・解決策を提案できているか
  • 顧客感情配慮:顧客の感情に配慮した対応ができているか
  • 結びの言葉:電話を終える際の言葉遣い

また、コールセンターによっては、以下の項目も評価基準として設定することがあります。

  • 商品知識:商品に関する知識が豊富か
  • 応答時間:顧客からの電話に素早く応答できているか
  • 処理時間:顧客の要望を迅速に解決できているか

■ ミステリーコール:

ミステリーコールとは、顧客を装った調査員がコールセンターに電話をかけ、オペレーターの対応を評価する調査のことを指します。

ミステリーコールは、オペレーターの応対品質を客観的に評価するための有効な手段です。顧客目線でオペレーターの対応を評価することで、オペレーターの気づかない改善点を抽出することができます。

ミステリーコールの実施方法は、大きく分けて以下の2つがあります。

内製型:コールセンターのスタッフが調査員としてミステリーコールを実施する方法

外注型:専門の調査会社にミステリーコールの実施を依頼する方法

内製型は、コストを抑えることができるメリットがあります。一方、外注型は、専門的な知識やノウハウを活用した調査が可能であるというメリットがあります。

ミステリーコールの評価項目は、一般的には以下のようにモニタリングスコアと同様の項目が評価されます。

  • 「第一声」、「顧客ニーズ把握」、「回答・解決策」、「顧客感情配慮」、「結びの言葉」、「商品知識」、「応答時間」、「処理時間」など。

具体的な実施方法としては、以下の流れが一般的です。

  1. 調査項目と評価基準の設定
  2. 調査員の選定
  3. 調査シナリオの作成
  4. 調査の実施
  5. 調査結果の分析とフィードバック

調査項目と評価基準は、コールセンターの目的や課題に合わせて設定することが重要です。調査員は、顧客目線でオペレーターの対応を評価できる人材を選定しましょう。調査シナリオは、調査目的を達成するために必要な内容を盛り込むようにします。調査は、あらかじめ設定したスケジュールに沿って実施しましょう。調査結果は、客観的に分析し、オペレーターにフィードバックを行いましょう。

■ アンケート調査:

アンケート調査は、コールセンターの利用者である顧客の満足度や意見を把握するための調査です。

コールセンターのアンケート調査には、大きく分けて以下の2つの種類があります。

  • 定型的なアンケート調査:顧客満足度や意見を定型的な質問で調査する方法
  • 自由回答型のアンケート調査:顧客の率直な意見や要望を自由に回答してもらう方法

定型的なアンケート調査では、顧客満足度や意見を定型的な質問で調査することで、客観的なデータとして活用することができます。具体的には、以下の内容を調査します。

  • 顧客満足度
  • オペレーターの対応
  • コールセンターの設備・環境

自由回答型のアンケート調査では、顧客の率直な意見や要望を自由に回答してもらうことで、顧客の潜在的なニーズや課題を把握することができます。具体的には、以下の内容を調査します。

  • コールセンターの改善点
  • 商品やサービスの改善点

コールセンターのお客様アンケート調査は、顧客の声を直接聞くことができる有効な手段です。効果的な調査を行うためには、以下のポイントを押さえることが重要です。

  • 顧客の視点に立った質問
  • お客様アンケート調査は、顧客の視点に立って行うことが重要です。顧客が「よい対応だった」と感じるポイントを押さえた質問を作成しましょう。
  • 具体的な質問
  • アンケート調査では、具体的な質問を作成することが重要です。抽象的な質問では、顧客の意見や要望を正確に把握することができません。
  • 回答率の向上
  • アンケート調査の回答率を高めることで、より多くの顧客の声を収集することができます。回答率を高めるために、アンケートの内容や回収方法を工夫しましょう。

これらの評価方法を組み合わせて使うことで、より正確な応対品質の把握ができるでしょう。また、評価項目や基準も具体的に設定し、オペレーターに共有することが大切です。

応対品質の改善策を実施する

応対品質の評価結果をもとに、改善策を立案し実施することが次のステップです。改善策としては、以下のようなものがあります。

  • オペレーター研修:商品やサービスの知識やスキル、話し方やマナーなどを教育する
  • トークスクリプト:電話応対の内容や流れを台本化し、オペレーターに徹底させる
  • フィードバック:オペレーターに対して問題点や改善点を伝える
  • モチベーション管理:オペレーターのやる気や士気を高めるためにインセンティブや表彰などを行う

応対品質の改善に繋がるオペレーター研修

コールセンターの応対改善に向けたオペレーター研修は非常に重要です。以下に、詳細なオペレーターフォローアップ研修プログラム の1例をご紹介します。(コールセンターの業務によって適切な内容は変わってきますのでご注意ください。)

プログラム名: カスタマーサービス応対改善研修

目的:

■ カスタマーサービスの品質向上

■ カスタマー満足度の向上

■ オペレーターのスキルと自信の向上

■ プログラム内容:

1. カスタマーサービス基本原則の再確認 (1日)

  • カスタマーサービスの基本原則の復習
  • エンゲージメントの重要性
  • カスタマーのニーズを理解するための質問テクニック
  • ポジティブなコミュニケーションスキル

2. カスタマーの心理学と行動の理解 (1日)

  • カスタマーの期待と不満
  • カスタマーの感情に対処する方法
  • カスタマーの個別ニーズを把握するためのテクニック

3. シミュレーションとロールプレイ (2日)

  • カスタマーのシナリオに対するシミュレーション
  • ロールプレイを通じた実践的なトレーニング
  • フィードバックと改善の機会を提供

4. テクノロジーとツールの活用 (1日)

  • カスタマーサポートツールの効果的な使用法
  • データベースと情報の正確な利用
  • カスタマーサポートソフトウェアのベストプラクティス

5. チームワークとストレス管理 (1日)

  • チームとしての協力の重要性
  • ストレスの発生源と管理方法
  • グループディスカッションとケーススタディ

6. クライアント特有の要件への適応 (1日)

  • クライアントの製品、サービス、ポリシーに関する理解
  • クライアントに特有の要件への適応
  • フォローアッププロセスの改善

7. フィードバックとアセスメント (1日)

  1. オペレーターのスキルと成長の評価
  2. フィードバックセッション
  3. 個人的な成長計画の策定

8. 継続的なフォローアップ (定期的に)

  • 定期的なフォローアップトレーニングとフィードバック
  • オペレーターの成績評価と改善のサイクル

このプログラムは、オペレーターのスキル向上とカスタマーサービスの品質向上を目指して設計されています。研修は実践的な要素を含み、ロールプレイやシミュレーションを通じてオペレーターが実際の状況で得た経験を活かす機会を提供します。継続的なフォローアップとフィードバックセッションを通じて、オペレーターの成長を支援し、サービス品質の向上を実現します。

応対品質の管理体制を整える

応対品質の向上は、一度やって終わりではありません。継続的にモニタリングやフィードバック、改善策の実施を行うことが必要です。そのためには、管理体制を整えることが重要です。

管理体制としては、以下のようなものがあります。

QA(Quality Administrator):応対品質管理者としてモニタリングやフィードバックを行う

KPI(Key Performance Indicator):応対品質の目標値や評価指標として設定する

PDCAサイクル:計画(Plan)・実行(Do)・評価(Check)・改善(Act)のサイクルを回す

これらの管理体制を導入することで、応対品質の向上に向けた取り組みが効率的になります。また、コールセンターシステムなどのツールを活用することで、データの収集や分析も容易になります。

コールセンターで応対品質を向上させる方法は、評価方法の設定・改善策の実施・管理体制の整備の3つがあります。これらの方法を適切に行うことで、顧客満足度や企業ブランドの向上につながるでしょう。