コールセンターにおけるエージェントの対応品質管理の課題とその解決策
2023.07.28
ブログ企業のイメージアップや顧客満足度向上のため、コールセンターにおけるエージェントの対応品質管理が重要視されています。
コールセンターで高品質なサービスを提供できれば、企業の目標の達成にも大きく貢献します。
しかし、コールセンターにおける品質は多岐に渡るため、適切な管理が難しいと感じる方もいるでしょう。
今回の記事では、コールセンターにおけるエージェントの対応品質管理の課題と、その解決策について解説します。
■顧客満足度から企業業績に直結するコールセンターの応対品質
コールセンターは顧客との直接的な接点の場であるため、企業イメージを左右するほど重要な役割を担っています。
コールセンターの現場では、応対品質の管理に悩まれることが多いのではないでしょうか?
ここから、顧客満足度や企業の業績に直結するコールセンターの応対品質において、注視すべき内容をお伝えします。
■エージェント一人の応対品質はセンター全体の応対品質
応対品質とは、オペレーターの電話対応の質やレベルを指します。顧客の問い合わせに対して、適切な対応ができたかどうかを測る指標です。
応対品質を評価する内容はさまざまですが、一般的にコールセンターが重視し、評価基準にしているポイントには、以下のようなものがあります。
【応対品質を評価するポイント】
l 顧客のニーズに沿った対応
l 適切な言葉遣い
l 顧客への共感
l 正しい情報の提供
l 迅速な回答
応対品質を計測する際は、上記のような指標を組み合わせて評価するのが一般的です。
また、応対品質はコールセンターを効果的に運営するための重要な要素で、顧客満足度に大きく影響すると言われています。
エージェント一人の応対品質は、センター全体の応対品質といえます。
質の高いコールセンターを運営するためには、応対品質を向上させることが大切です。
■品質管理の課題の概要
コールセンターは「企業の顔」といわれるほど重要な仕事です。しかしながら、さまざまな課題を抱えています。
ここから、品質管理の課題の概要について解説します。
|コールセンター品質管理の基本と主要な課題
コールセンター品質管理の基本は、エージェントのトレーニング、モニタリング、フィードバックのサイクルです。この実施の課題について見ていきましょう。
|品質の一貫性の欠如とバラつき
まず、品質管理の課題として、品質の一貫性の欠如とバラつきが挙げられます。
オペレーターの対応のクオリティに差が生まれていることが問題です。
オペレーターは人間が行うため、経験やスキルによって顧客への対応が変わってしまいます。
コールセンター業務では、自社の商品・サービスを熟知したうえで、顧客とのスムーズなコミュニケーションが必要です。
簡単な仕事ではなく、求められるスキルも高くなります。
また、業務負担やストレスの大きい仕事のため、離職率の高さや人材不足が問題となっています。
コールセンターの品質管理においては、クオリティ品質のバラつきを軽減することが重要な課題です。
顧客満足度を高くするためには、常に一定以上の品質を提供するのが大切です。
一方、短時間の研修で全てのオペレーターが完璧なスキルを獲得することは困難です。
新人とベテランの対応レベルを均一化する仕組みが必要といえます。
|モニタリングの困難さと限界
モニタリングとは、オペレーターの応対をチェックして、評価することです。
そのチェック方法は、オペレーターが通話中の状況を直接聴くか、録音したものを確認します。
言葉遣いやマナーに失礼はないか、顧客のニーズを把握して回答できているかなどで評価されます。
特に新人やOJT期間のオペレーターに対して、有効な調査方法です。
ただし、モニタリングの困難さと限界があります。
実施する際には、客観性が担保されている必要があります。
評価には、個人の感情を挟まないことが重要です。
あくまでも第三者として、公正で公平な評価を心がけるようにしましょう。
■トレーニングとフィードバックの課題と解決策
ここから、コールセンターにおけるトレーニングとフィードバックの課題と、その解決策についてご紹介します。
|スキル向上と継続的な成長の促進
コールセンターの品質管理は、スキル向上と成長の促進を継続的に行うことが重要です。
コールセンターでは、安定した高品質なサポートを求められています。
単発的ではなく、常に質の高いサービスを提供しなければなりません。
そのためには、定期的な品質チェックを行い、継続的な取り組みが重要です。
まずは、コールセンターの応対品質を安定させるための「マニュアル」を作成しましょう。
システムの操作方法から顧客対応まで、誰にでも理解できるマニュアル化が大切です。
業務中に参照できるマニュアルがあれば、オペレーターのパフォーマンスが安定し、全体的なスキル向上に繋がります。
|フィードバックの効果的な提供と受け入れ
モニタリングや診断サービスなどで調査をしたあとは、必ずSVなどがオペレーターにフィードバックを行いましょう。
費用や時間をかけて調査しても、オペレーターにその内容を伝えなければ意味がありません。
品質改善を行うためには、オペレーター自身が改善点に気づくことが重要です。
調査結果を元に適切なフィードバックを行い、オペレーターに課題を認識させましょう。
フィードバックの効果的な提供と、オペレーターの行動変化までを徹底しましょう。
■モニタリングの課題と解決策
コールセンターにおけるモニタリングには、いくつかの課題があります。ここから、モニタリングの課題と、その解決策までお伝えしていきます。
|リアルタイムと事後的な品質評価の両立
コールセンターにおいて、電話のやり取りをモニタリングすることで、オペレーターの育成、応対品質の向上が期待できます。
コールセンターにおけるモニタリングでは、大きく分けて「リアルタイム」と「事後」の2パターンがあります。
リアルタイムと事後的な品質評価、それぞれの両立が重要です。
【リアルタイムのモニタリング】
リアルタイムのモニタリングとは、オペレーターが顧客対応をしている様子をリアルタイムでチェックする方法です。
顧客への臨機応変な対応や、オペレーターの表情、問い合わせ内容の検索方法まで把握できることが特徴です。
リアルタイムのモニタリングは、より具体的に問題点や課題を洗い出せるというメリットがあります。
一方で、録音でのモニタリングとは異なり、オペレーターの対応を何度も聞き直せないことがデメリットです。
また、モニタリングの評価担当者は、1つの通話に集中して耳を傾ける必要があります。
評価項目が多い場合、1回ですべての評価をつけるのが難しく、適切な評価が難しくなります。
さらに、オペレーターは常に見られているというプレッシャーの中で電話対応をしなければならないため、業務に支障が出る恐れもあります。
オペレーターのプレッシャーを軽減するために、遠隔でモニタリングをすることをおすすめします。
【事後モニタリング】
事後モニタリングとは、オペレーターの対応を録音した音声データをもとに、応対品質を評価する方法です。
コールセンターに電話をすると「この通話は応対品質向上のために録音しております」といったガイダンスが流れることがあります。
オペレーターと顧客の会話を録音して、応対品質をチェックしていくのが事後モニタリングです。
録音をすることで何度でも聞き直すことができ、オペレーターの癖や通話品質を細かく評価できる点が特徴です。
また、データは録音されているため、ある程度余裕を持って柔軟に調査できるところもメリットだと言えるでしょう。
デメリットとしては、リアルタイムモニタリングのように表情や通話前後の様子を把握できないところです。
事後モニタリングはあくまで、通話の声や顧客とのやり取りをもとに、評価することになります。
|モニタリングのベストプラクティスと技術の活用
課題や問題点が明確になったら、実際に応対品質の向上に活かしましょう。
応対品質を向上させるためには、オペレーターへのフィードバックはモニタリング後、できるだけ早く実行すると効果的です。
フィードバックの際は、課題点だけではなく、良い評価を受けたポイントも伝えることで、オペレーターのモチベーションアップに繋がります。
改善点の共通認識ができたら、期限を決めて現状の改善へと取り組みましょう。
最近では、モニタリングに最新技術を導入することで、応対品質評価を自動化するケースも出てきています。
近年は広い分野で、さまざまな種類のAIが活用され、人手不足を補ったりサービス品質を向上したりするケースが増えています。
コールセンターでも、将来的に必要不可欠な技術として、より身近な存在として扱われることが予測されます。
そのような中で、音声の「感情認識AI」に注目が集まっているのをご存知でしょうか。
コールセンターでのクレーム解析、従業員のストレスチェックなど、さまざまな業務課題を解決するために導入され始めているシステムです。
感情分析とは、人間の感情や気持ちの変化、表情などを読み取ることを指します。
近年はAIの技術が発展したことによって、人間の感情も分析できるようになってきています。
このようなAI技術は、接客が必要となるサービス業において期待が寄せられています。
音声によって人間の感情を判定できるようになれば、声だけでコミュニケーションを図るコールセンターでも、ユーザーがどのような感情なのかを知ることができます。
ユーザーの感情をいち早く察知することで、クレームに発展してしまう前の段階で対処することも可能になります。
また、オペレーターの声からも、精神状態を判定できるため、一人ひとりの感情を把握できるようになり、より最適なフォローを行うこともできます。
オペレーターごとに抱えている悩みは異なるため、一人ひとりに最適な指導を行っていく上で、音声の感情認識AIが果たす役割は大きいでしょう。
実際に、音声の感情認識AIを使用して、コースセンターの品質分析を行う企業が多くなってきています。
■顧客エクスペリエンスの課題と解決策
カスタマーエクスペリエンスを向上させるためには、どうしたら良いのでしょうか?
ここから顧客エクスペリエンスの課題と解決策についてご紹介します。
|感情解析とエンゲージメントの向上
コールセンターでは当然のことではありますが、基本的にオペレーターは顧客の表情を見ることができません。
声ではあまり怒っていないように聞こえても、実は怒りが頂点に達している状態かもしれません。
そんな時に、長い時間顧客を待たせてしまったり、オペレーターがしっかりと応対できなかったりしたら、重大なクレームに発展してしまいます。
このような場合に、感情解析の技術を利用することで、顧客満足度を向上させることが可能です。
AIが感情の機微を察知し、AIの判断に従ってすばやく行動につなげることで、顧客の機嫌を損ねることなく対応できます。
このように、AIの感情解析判断に準じて、オペレーターが適切な対応を行うことで、顧客満足度の向上に繋がります。
結果として、エンゲージメントの向上も期待できるといえるでしょう。
|顧客フィードバックの収集と分析
顧客フィードバックの収集と分析にも、AIによる感情分析技術を利用することで、成約率増加を見込むことができます。
AIの感情分析技術は、顧客が製品の購入を検討する際の「感情の動き」のモニタリングにも利用できるためです。
そこで抽出したデータに基づいて、どういった感情のときに顧客が購買の決定をするのかを収集・分析することができます。
このデータを販売戦略などに活用することで、効果的なオペレーションを行うことが期待できます。
■データと分析の課題と解決策
コールセンターの品質管理に役立つのが、データの分析です。データの力を最大限に引き出し、コールセンターの問題を解決してみませんか?
ここから、データと分析の課題と解決策についてご紹介します。
|洞察と改善のためのデータの活用
近年、データ活用から洞察を得ることで、ビジネスの新たな方向性を模索する取り組みが、多くの企業で始まっています。
データ分析は、有益な情報や洞察を引き出し、ビジネスに革新をもたらします。
コールセンターに感情分析AIを導入することによって、洞察と改善のためのデータ活用が可能になり、顧客満足度の向上が期待できます。
リアルタイムでの感情分析が可能になれば、いち早く顧客の不満を察知できるようになるからです。
また、蓄積されたデータを活用することによって、顧客満足度の向上に繋げられる「対応マニュアル」を作成することもできます。
オペレーターの対応は、経験によって差が生まれやすい部分ではありますが、より多くのデータを活用することで、質の高いマニュアルを構築できます。
|分析ツールの導入と有効な指標の確立
コールセンターでは、膨大なデータが発生します。
分析ツールを導入すれば、効率的にデータを収集することができるようになるため、分析作業をスムーズに行えます。
発見できた問題点を解決できれば、商品やサービスの質の向上につなげられるでしょう。
また、データ分析は、オペレーターの質の向上にも欠かせません。
蓄積されたデータを活用して、オペレーターごとに最適なコーチングを行えば、有効な指標の確立にも繋がります。
■技術とツールの課題と解決策
分析ツールを導入するデメリットの一つとして、初期費用などの導入コストがかかってしまう点が挙げられます。
さらに、AIを運用するためには、定期的なメンテナンス作業も欠かせません。
これらに費用と時間がかかってしまう点は、あらかじめ把握しておく必要があります。
とはいえ、課題を解決に導く最適なAIを導入できれば、そのコスト以上の成果を得られる可能性も十分にあります。
一概にデメリットとして捉える心配はありません。
また、コールセンターに分析ツールを導入する際は、関わるスタッフ全員が技術の正しい知識を持っておく必要があります。
AIを活用する中でトラブルが発生する可能性もあるため、あらかじめルールを設けておくことが大切です。
|効率化と品質向上のための最新のソリューション
コールセンター業務の効率化と品質向上のための最新ソリューションとして、AIができることは数多くあります。
オペレーターの業務支援やデータ分析などは、AIの特性から考えると得意とする分野です。
コールセンターと親和性があり、効率化と品質向上が狙える最新ソリューションをご紹介します。
【チャットボット対応による自動化】
インターネット上でリアルタイムに応対する「チャットボット」は、人間の代わりに顧客からの問い合わせに答えてくれます。
簡単な問い合わせにチャットボットが対応してくれれば、オペレーターは焦らずに顧客対応ができます。
24時間365日休みなく稼働してくれるチャットボットを導入することで、人件費削減やオペレーターの作業軽減による効率化を図れます。
また、音声認識技術によって、顧客の声色やトーンから、顧客満足度の自動測定を行うことも可能です。
【オペレーターの対応品質向上】
オペレーターと顧客の会話をリアルタイムで認識し、「テキスト化」するシステムによって、FAQ(頻繁に尋ねられる質問)の検索が容易になります。
AIのFAQサポート機能の利用によって、経験の浅いオペレーターでも、ベテランオペレーターのように迅速に対応できるようになるでしょう。
オペレーター自身の経験値に左右されない、高品質な対応が可能となります。
これらのAIを導入したコールセンターでは、新人教育のコストを削減できます。
AIが作業をサポートすることの大きなメリットは、オペレーターの定着率の向上です。
コールセンターは、クレーム対応なども含め、強いストレスを感じやすい業務です。
AIが作業をサポートすることで、作業負担だけでなく、心理的負荷の軽減も期待できます。
■エージェントモチベーションの課題と解決策
感情分析やチャットボットシステムの活用により、オペレーターのモチベーションが向上すれば、顧客満足度のアップも見込めます。
AIの導入は企業にとってもメリットが大きいと言えるでしょう。
ここから、エージェントモチベーションの課題と解決策についてご紹介します。
|エンゲージメントの向上とチームのサポート
人間は他人の気持ちを推し測ってコミュニケーションを取ることができますが、この能力には個人差があります。
感情分析を導入すれば、AIが顧客の感情を読み取り、適切なアプローチをサポートしてくれます。
その結果、どのスタッフでも顧客の気持ちに寄り添ったコミュニケーションが取れるようになるのです。
感情分析やチャットボットシステムのサポートによってオペレーター業務が効率化すれば、顧客満足度やエンゲージメントの向上に繋がります。
|モチベーション向上のための報酬と認知
正しい評価は、コールセンターの品質向上はもちろん、オペレーターのモチベーションアップにも重要なポイントになります。
近年、KPI(Key Performance Indicator)と呼ばれる「重要業績評価指標」が注目されています。
KPIとは、業務パフォーマンスを計測するために置く指標です。
ビジネスでは、チーム内でKPIを共有することで、適切に組織活動を行うことができます。
オペレーターのKPIを測るためには、さまざまな数値的データが必要となります。
適切なシステムを導入し、受信数や通話時間(ATT)、平均処理時間(AHT)などをAIが自動計測して管理すれば、評価を行いやすくなります。
AIを利用すれば、各オペレーターの有効受注率などを順位別に分析でき、オペレーターを正しく評価する際の基準となります。
可視化できるシステムがあれば、オペレーターにも状況を理解してもらいやすく、何を改善していくべきか理解して取り組んでくれるでしょう。
また、適正な評価を得られるようになり報酬アップに繋がると、オペレーターのモチベーション向上が期待できます。
■品質管理のためのスタンダード化の課題と解決策
コールセンターには、品質を管理するポイントがいくつか存在します。
ここから、コールセンターの品質管理のためのスタンダード化の課題と、その解決策についてご紹介します。
|ガイドラインとプロセスの確立
応対品質を統一するために有用な施策は、ガイドラインとプロセスの確立です。
ガイドラインとは、提供するサービスや商品、ユーザーへの説明などをまとめたオペレーター専用の台本です。
説明の順番や言葉遣いが記されているガイドラインがあれば、オペレーターによる応対内容の差異が少なくなり、応対品質の統一化が狙えます。
また、教育内容の見直しも重要です。
オペレーターは仕事に就く前に、基本的な知識を学ぶ研修を受けます。
その内容は定期的に見直していき、新しいプロセスを確立していく必要があります。
提供するサービスや商品が変わったり増えたりした場合、顧客に正しく説明するために知識のアップデートはマストです。
また、電話応対がメインだったコールセンターも、メール・チャット・SNSといった問い合わせ手段を取り入れる企業も増えています。
そのため、問い合わせ手段の変化に対応した教育を実施する必要があります。
|品質スタンダードの継続的な評価と改善
コールセンターの品質管理でもっとも重要なのは、継続的な評価と改善を行うことです。
コールセンターに求められるのは、常に安定した高い品質の提供です。
継続的にモニタリングを行うことで、組織全体としての標準化された状況を把握することができます。
モニタリングのあとには、オペレーターにフィードバックを行う面談を実施することも重要です。
できれば月1回は定期的に面談を行い、ノルマに対する意見も聞いたり、達成状況を見直したりしましょう。
一人ひとりが抱えている悩みを吐き出せる環境を整えると、オペレーターの精神的な負担が緩和され、離職率を下げることにもつながります。
また、報酬アップや表彰などで、業務に見合った称賛を用意することも効果的です。
品質管理は一過性ではなく、継続的な評価と改善を実施することで、真価を発揮します。
継続的な品質管理を実施して、質の高いコールセンターを目指しましょう。
■ 顧客フィードバックの活用と顧客満足度の向上
コールセンターに届けられる顧客の不満や意見には、商品やサービス改善のヒントが多く含まれています。
顧客から十分に意見を聞き出すことができれば、顧客満足度が向上し、今後の企業活動にも役立てられるでしょう。
ここから、顧客フィードバックの活用と顧客満足度の向上について解説します。
|フィードバック収集の最良の方法
コールセンターのフィードバック収集の方法としては、「自己収集」「外部診断」「データ分析」の3つの方法があります。
自己収集は、コールセンターの運営が主体となって行います。
主な方法としてはオペレーターの実務チェックなど直接的な方法で調査を行います。
管理側が直接サービスの品質をチェックできるというメリットがありますが、一方で評価される側が普段通りに業務しにくく、管理者の負担が大きいといったデメリットがあります。
外部診断とは、業務を評価する外部サービスを活用して品質管理を行うことです。
匿名で問い合わせを行ってサービスの品質をチェックする「ミステリーコール」などの手法が用いられます。
多くの企業の品質管理も行っている調査会社に依頼することで、豊富なノウハウをいかした客観的評価やフィードバックが期待できます。
データ分析とは、業務を通じて蓄積されたデータを分析し、応対品質を管理することです。
応対時間・待ち時間・問い合わせの多い時間帯など、客観的にデータを分析することで、隠れた課題を浮き彫りにできます。
このように、品質管理の方法はひとつではありません。複数の方法を組み合わせ、多角的にフィードバックを行うことが応対品質の向上につながります。
|顧客満足度向上のための改善策の実施
顧客満足度向上のための改善策の実施には、アンケートフォームの利用が効果的です。
お客様にアンケート調査を実施して、オペレーターについて評価してもらう方法です。
たとえば、電話終了後に顧客情報に登録してあるメールアドレスにアンケートフォームを送信することで、回答を促すことができます。
「オペレーターとの通話はどの程度満足したか」「問題は解決したか」「オペレーターの案内はスムーズだったか」などを評価してもらえば、顧客の率直な意見を把握することができます。
すべてのお客様からアンケートを回収するのは難しいですが、お客様の声の中から改善点を見つけやすくはなるはずです。
無料で利用できるアンケートフォーム作成ツールもあるため、コストを抑えてフィードバックを収集したい場合に活用してみてはいかがでしょうか。
また、収集したデータが外部に流出するようなことがないよう、適切なセキュリティ対策が施されているツールであることも重要です。
■まとめ
企業にとってコールセンターは、単なる窓口ではありません。
コールセンターは「企業の顔」とも言える存在であり、顧客満足度に直接的な影響を与えるものです。
顧客の問い合わせに対してオペレーターが十分な対応ができなければ、トラブルは解消せず不満が残ってしまいます。
また、言葉遣いやマナーが悪ければ、不快感を与えてしまうことにもなるでしょう。
その結果、企業利用から顧客が離脱してしまうリスクがあります。
応対品質を向上させることで、顧客の不満は減少し、企業の継続利用が期待できます。コールセンターの品質を向上させて、顧客と満足できるコミュニケーションが取れるようになれば、企業イメージのアップにも繋がります。
今後、コールセンターの品質向上に向けた取り組みをはじめたいのであれば、感情分析やチャットボットシステムなど、最新システム導入を検討してみてはいかがでしょうか。