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コールセンターをオムニチャネル化するためには

2023.09.25

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コールセンターのオムニチャネル化とは、顧客が電話、メール、チャット、SNSなど様々なチャネルを使ってコールセンターに問い合わせや要望を伝えることができるようにすることです。オムニチャネル化のメリットは、顧客満足度の向上、コスト削減、売上増加などが挙げられます。オムニチャネル化において考えうるチャネルとそれぞれの重要性について、以下のように解説します。

コールセンターを構築するチャネル

電話

電話はコールセンターの基本的なチャネルであり、緊急性や複雑性の高い問題を解決するために必要です。しかし、電話だけでは対応できない場合や、待ち時間が長くなる場合があります。そのため、他のチャネルと連携して効率的に対応することが重要です。

メール

メールは電話よりも非同期的なコミュニケーションであり、顧客が自分の都合に合わせて問い合わせや要望を伝えることができます。メールは文書化されているため、記録や追跡が容易です。しかし、メールでは感情や状況を伝えることが難しい場合や、返信に時間がかかる場合があります。そのため、メールだけではなく、電話やチャットなどのリアルタイムなコミュニケーションも併用することが重要です。

チャット

チャットはメールよりもリアルタイムなコミュニケーションであり、顧客がウェブサイトやアプリなどのデジタルなプラットフォームから直接コールセンターに問い合わせや要望を伝えることができます。チャットはテキストや画像などの多様なメディアを使って情報を伝えることができます。しかし、チャットでは音声や表情などの非言語的な情報を伝えることができません。そのため、チャットだけではなく、電話やビデオ通話などの音声や映像を使ったコミュニケーションも併用することが重要です。

SNS

SNSはチャットよりも公開的なコミュニケーションであり、顧客がTwitterやFacebookなどのソーシャルメディアからコールセンターに問い合わせや要望を伝えることができます。SNSは口コミ効果やブランドイメージの向上に貢献することができます。しかし、SNSでは個人情報や機密情報を扱うことができません。そのため、SNSだけではなく、電話やメールなどのプライベートなコミュニケーションも併用することが重要です。

LINE

LINEは、日本国内で月間アクティブユーザー数9,200万人を超える、国内最大級のコミュニケーションアプリです。ユーザーの日常生活に深く浸透しており、さまざまな用途に活用されています。
ユーザーが日常的に利用しているアプリであるため、コールセンターを利用する際のハードルが低くなります。また、LINEアプリ内のトーク画面でやり取りできるため、Webブラウザや電話を起動する必要がなく、手軽に利用できます。

以上のように、オムニチャネル化においては、様々なチャネルを使って顧客のニーズや状況に応じて最適な対応をすることが重要です。コールまたマルチチャネルとは違い、オムニチャネル化においてコールセンターは、チャネル間の連携や統合を強化することで、顧客体験の向上や業務効率の向上を図ることができます。

コールセンターをオムニチャネル化する時に注力すべきこと

コールセンターのオムニチャネル化において、それぞれのチャネルを統合したサービスを目指す際に、注力すべきことは以下のようになります。

チャネル間の情報連携

顧客がどのチャネルを利用しても、一貫性のある対応ができるように、チャネル間で顧客情報や問い合わせ履歴などを共有することが重要です。これにより、顧客満足度を高めるとともに、コールセンターの業務効率も向上させることができます。

 以下では、代表的な情報連携の方法について紹介します。

  • CRM(Customer Relationship Management)システム
  • CRMシステムは、顧客の基本情報や購買履歴、問い合わせ履歴などを一元的に管理するシステムです。CRMシステムを導入することで、各チャネルから収集した顧客データを統合し、顧客ごとにパーソナライズされた対応や提案を行うことができます。
  • CTI(Computer Telephony Integration)システム
  • CTIシステムは、電話とコンピューターを連携させるシステムです。CTIシステムを導入することで、電話番号から顧客情報を自動的に表示したり、電話応対中に画面共有やメール送信などの操作を行ったりすることができます。
  • チャットボット:チャットボットは、人工知能や自然言語処理などの技術を用いて、顧客とテキストや音声で会話するシステムです。チャットボットを導入することで、顧客の問い合わせに自動的に回答したり、適切なチャネルや担当者にエスカレーションしたりすることができます。

一元管理された顧客データベースの構築

オムニチャネル化を実現するには、顧客データベースの構築が不可欠です。顧客データベースとは、顧客の基本情報や購買履歴、問い合わせ履歴などを一元的に管理するシステムです。顧客データベースがあれば、コールセンターは以下のようなメリットを得ることができます。

  • 顧客の属性や嗜好を分析し、パーソナライズされたサービスやキャンペーンを提供できる。
  • 顧客の問い合わせ内容や対応状況を確認し、迅速かつ適切な回答やアフターフォローができる。
  • 顧客の満足度やロイヤルティを測定し、サービスの改善やリピート率の向上に役立てることができる。

では、どのようにして顧客データベースを構築すればよいでしょうか。以下にいくつかのポイントを挙げます。

①. 目的と目標を明確にすることが重要です。どんなデータを収集し、どんな分析や活用をするのかを具体的に定めます。

②.  データの品質と整合性を保つことが必要です。データは正確かつ最新であることが前提です。また、異なるチャネルから得られたデータは一貫性があることが望ましいです。

③.  データのセキュリティとプライバシーを守ることが求められます。データは適切な暗号化やバックアップを行い、不正アクセスや漏洩を防ぎます。また、個人情報保護法やGDPRなどの法令や規制に従って、顧客の同意や通知を行います。

④.  データの可視化と活用を行うことが大切です。データはダッシュボードやレポートなどでわかりやすく表示し、コールセンターのスタッフや管理者が利用できるようにします。また、データから得られたインサイトやフィードバックをもとに、サービスの改善や新たな価値

 顧客満足度を高める、シームレスなオムニチャネルサポート

顧客がチャネルを切り替えても、やり取りが途切れないようにする必要があります。例えば、電話で問い合わせた内容を、メールで送信することもできるようにします。

IVRなどの自動応答システムによるチャネルの振り分け誘導

さまざまなチャネルが提供されていると、顧客はどのチャネルを利用すればよいのか迷う可能性があります。また、利用したいチャネルが混雑していると、すぐに対応してもらえないこともあります。

IVRなどの自動応答システムによるチャネルの振り分け誘導は、これらの課題を解決する上で有効です。IVRは、顧客が電話で問い合わせをした際に、音声ガイダンスに従ってチャネルを振り分けることができます。これにより、顧客は迷わずに適切なチャネルを利用することができます。

また、Visual IVRなどを導入して顧客を誘導するのも有効な手段です。


オムニチャネル化を成功させるためには、以下のポイントを押さえることが重要です。

・顧客の視点に立った設計
・データの活用
・継続的な改善

具体的には、以下の点に注意しましょう。

・顧客のニーズを把握する

まずは、顧客がどのようなチャネルを利用したいのか、どのようなサービスを求めているのかを把握することが大切です。そのためには、顧客アンケートやヒアリングなどの調査を行うとよいでしょう

・チャネルを連携する

電話、チャット、メール、SNSなど、複数のチャネルを連携することで、顧客がどのチャネルからでも同じ品質のサービスを受けられるようになります。そのためには、コンタクトセンターシステムなどのツールを導入するとよいでしょう。

・オムニチャネル戦略に合わせて業務フローを見直す

チャネル間の連携を実現するために、業務フローの見直しも必要です。顧客の状況に応じて、最適なチャネルに誘導するなど、顧客の利便性を考慮した業務フローを構築しましょう。

・テクノロジーを活用する

チャネル間の連携や業務フローの見直しを実現するために、テクノロジーの活用が有効です。AIやRPAなどのテクノロジーを活用することで、業務効率化を図り、オペレーターの負担を軽減することができます。

・継続的に改善する

顧客のニーズは常に変化しています。オムニチャネルも、顧客のニーズに合わせて継続的に改善していくことが大切です。そのためには、顧客の声を収集し、分析を継続することが重要です。


コールセンターのオムニチャネル化は、企業と顧客の接点をより円滑なものにし、顧客満足度の向上、業務効率化、機会損失の防止などのメリットが得られます。コールセンターの業務改善を検討している方は、オムニチャネル化を検討してみてはいかがでしょうか。