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【ファウンダー日記】床屋談義で学ぶCRM?パート3

2015.02.25

ブログ

今もたまにある床屋談義 …

何でこんなメールが毎回来るのかな?
買ったこともないのに。
どこでメールアドレスが分かったのかなぁ …

そう言えば、筆者にもまるで自分にそぐわない
通販会社からのメールがよく来る。
この会社からは簡易家具を買ったことがあり、その際にメール登録をしていたので、いわばオプトインであり個人情報的にはいいのだが、問題はその中身である。

メールを開くと、このような若い女性向けの可愛らしい写真が画面いっぱいに出てくるので、ドキっとさせられる。
当方はどう見ても男性名で登録しており(年齢までインプットしたかどうかは定かではないが)、このメールのターゲットではないはずだ。
カタログと違ってコストがかからないからと言っても幾らなんでも無神経なメールマーケティングと苦笑せざるを得ない。。
せめてこんなメンズ向けのものをメインにしてくれればいいのだが。
この画面は一生懸命探さないと見つからない。

 

このことで、この通販会社のシステム構築・保守をしている大手システム会社の知り合いに話しをしたことがある。
彼曰く、「メールは属性に応じてパーソナライズしているはずですよ」と。
う~ん、とすると私は若い女性に分類されているのか …

ところで、通信販売業界などで今でも利用されている顧客管理というかDM送付管理の手法にRFMがある。
これは言うまでもなく、顧客の直近購入時期、購入金額、購入頻度に応じて顧客のランク付けをし、優良客や離脱客などを明確にしようとする古くからの手法である。
問題は、これではどんな人物や家庭が何を買ったかということが把握されず、LTV(Life Time Value)最大化の観点からは全くNGのシステムである。

私自身の経験もある。
昔、子供の入学時に割と高価な品物を購入したが、その後の注文をしなかったのでDMが来なくなり、3年後には別のところで子供用の品物を購入したという面倒な経験がある。
結局、筆者は再購入をしない休眠顧客として扱われたようだ。
DM Plus Company Limited より

先日、20年近くお会いしていなかった大手通販会社のマーケティング専門家N氏のお話をお聞きする機会があった。
その中で同氏は、昔のRMFと違い、今ではRFMT、つまり、顧客や商品のタイプ別の管理で顧客を認識しているということで、その後の進化を知ることができた。

筆者がテレマーケティングを推進していた90年代、各社とも費用の嵩むカタログ発送数を減らしたり増やしたりの試行錯誤で一喜一憂していたことを憶えている。
RFM頼りに発送を減らすと、それ以上に売り上げが落ちてしまうが、逆に増やしてもそれほど売上げに貢献しないジレンマに悩んでいた。
そんな時に、テレマーケティング・システムの営業をしながら「RFM+I(どんなアイテムを買ったか)の手法を採り入れるべき」と訴えていたことが懐かしく思いだされる。

N氏からは、通販業界におけるデータ分析についての3つの心得もお聴きしたのでここで紹介したい。

データは在るものではない、育てるものだ。
データ分析の効果を最初から期待しない。辛抱が肝要。
データだけに頼らず、感性マーケターを育てる。

また同氏は、インターネットの時代になっても紙媒体は無くならない。
プッシュメディアとしての紙媒体は、とても有効な顧客到達手段であるとも説明してくれた。
コンタクトセンターの電話が無くなると言われながらも、無くならない状態とよく似ている。むしろ、顧客が会社に相談・連絡してくる最終的なコンタクトチャネルとして、電話はその重要性が高まっている。
さて、筆者が初めて本格的な通販カタログに接したのは、70年当時で米国Sears社 の分厚いものだった。
衣料品はいうに及ばす、車や家、鉄砲まで、揃わないものは無いという印象だった。
実際にカタログで買い物をしたことはないが、当時のアメリカの生活や文化にときめき、彼我の差の大きさにただただ驚いたものだ。

当時は、西武百貨店がこのカタログを取扱い、注文の仲介サービスをしていた記憶がある。カタログは有料で購入したが、為替が360円時代で、且つ新入社員の薄給の身では商品を購入することまでは思いもよらなかった。

ということで、千円札4枚で頭をキレイにしてもらい実学までできるのは、床屋談義冥利に尽きる。これはMBAでの立派な課題にもなるのでは…?

床屋大学での実学はこの他いろいろあるが、4時限目以降に譲ることにしたい。