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IBM Watsonによって進化したLOHACOのチャットボット型AI「マナミさん」の概要と特長

日用品の通販サイトの「LOHACO」では、お客様サポートにマナミさんというチャットボット型AIを導入しています。そのマナミさんは、2017年に「IBM Watson」をベースにした対話システム「バーチャルエージェント」の導入したことで回答の精度が向上しました。

では、マナミさんとは一体どんなサポートを行っているチャットボット型AIなのでしょうか? マナミさんの概要や特長についてまとめましたので、興味がある方はぜひ最後までお読みください。

LOHACOのマナミさんとは?


出典:https://lohaco.jp/support/

「LOHACO(ロハコ)」はアスクル株式会社が運営する日用品の通販サイトで、マナミさんというのは本サイトでお客様をサポートするチャットボット型のAIです。マナミさんは「LOHACO」のお客様サポートページで会うことができます。

「LOHACO」にマナミさんが導入されたのは2014年のことです。GoogleやFacebookなどの大手企業が相次いでチャットボットの開発プラットフォームを提供し始めたのが2016年頃でしたので、アスクルではチャットボットが注目される前からチャットボット型AIのマナミさんを採用していました。

マナミさんがIBM Watsonによって進化

2017年4月、アスクル株式会社はマナミさんの会話エンジンに「IBM Watson」の日本語版を活用した対話システム「バーチャルエージェント」を導入しました。「IBM Watson」はIBMが開発した「Augmented Intelligence (拡張知能)」で、「バーチャルエージェント」はりらいあコミュニケーションズ株式会社が提供しています。

「バーチャルエージェント」はAI技術を利用した自動応答ができる対話システムです。「LOHACO」のマナミさんをはじめ、Y!mobile、東海東京証券、オルビスなどにも採用されています。

「IBM Watson」の特長は、自然言語処理と機械学習によって人間の会話を理解することができる点です。「IBM Watson」をベースにした「バーチャルエージェント」も自然言語の理解を得意としています。

従来のマナミさんには自動学習の能力がなかったため、回答できなかった問い合わせに関して回答文をデータベースに入力するしかありませんでした。「バーチャルエージェント」が導入されたことにより、マナミさんはお客様との会話を通じて自ら学習して回答の精度を高めることができるようになったのです。

これによって回答文の入力にかかる工数が大幅に削減され、マナミさんを効率よく運用できるようになりました。

マナミさんの特長

マナミさんは「LOHACO」の利用方法やクレームなどに自動対応することができます。よくある質問から選択方式で問い合する以外に文章で質問することも可能です。

たとえば、「商品が壊れていた」と質問すると返品や良品への交換を案内してくれますし、「商品が足りない」と質問すると配送が別々になっている可能性がある旨や出荷案内メールの確認方法などを案内してくれます。

少しいじわるして「商が壊れていた」と脱字がある文章で質問しても返品交換の案内をしてくれました。「商が壊れついた」と誤字脱字がある場合も商品の破損や不良に関する問い合わせと判断し、選択方式で回答してくれましたので、よほどおかしな日本語でなければ対応してくれるでしょう。

進化し続けるチャットボット型AI

アスクル株式会社はいち早くチャットボット型AIのマナミさんを導入し、お客様の問い合わせに24時間365日対応できる仕組みづくりを進めてきました。マナミさんはチャットボットの黎明期から存在する先駆け的な存在と言えるでしょう。

今、AIはものすごいスピードで進化していて、チャットボット型AIの精度は年々向上しています。従来は人間が回答文をデータベースに入力する必要がありましたが、AIの進化によってチャットボットが自然言語を理解し、会話から学習することで工数の大幅な削減が可能になりました。

まだチャットボット型AIでは100%問い合わせやクレームに対応するのは難しいですが、確実に精度は向上しています。1年後にはマナミさんが応えられる質問も増えているでしょう。

おわりに

自然言語を理解できるチャットボット型AIの導入は、カスタマーサポートの工数削減につながります。これからの時代、マナミさんのようなチャットボット型AIがお客様サポートを務めるのが当たり前になっていくでしょう。