ビジネス向けチャット – 先進企業はもう導入済み!
2017.03.01
トレンド情報インスタントメッセージやチャットそのものは、目新しいアプリケーションではありません。
しかし近年また、チャットやインスタントメッセージングアプリが注目を集めています。
なかでも、ビジネス向けのチャットは、現在多くの先進企業が導入し始めており、最近では、世界のITリーダー、マクロソフトやフェイスブックなどの業界大手が次々に、メッセージングアプリに投資を行っています。
これらのビジネス向けチャットが、今再注目されている理由は2つあります。
まず、メッセージングを導入すれば企業内のコミュニケーションを円滑に行え、業務の効率も向上できます。
また、ビジネス向けチャットを業務のコアシステムとして利用することで、従来のインターフェイスから、次世代の対話型インターフェイスへ移行準備を始めているとも考えられます。
ここでは、次世代プラットフォームの開発に向けて、ビジネス向けチャット市場をリードしているメッセージングアプリについてご紹介いたします。
Slackの可能性にかけるソフトバンク
ビジネスチャットのプラットフォームとして、2013年のリリースから急成長しているアプリの1つに Slack があります。
現在、日々500万人のユーザーが利用しており、そのうちの100万人は有料サービスを利用しているユーザーです。
昨年Slack は、フォーチュン100社中の77社が同社のクライアントであると断言しました。
同社は2017年9月に、ソフトバンク社のビジョンファンドから2億5,000万ドルを調達し、この追加投資にて、資金は7億9,000万ドルに達しました。
今回の追加資金の調達で、同社の企業評価額は51億ドルになりました。
業界大手のアマゾンがSlack の買収を検討していたというのは、業界内では大きな噂になりましたが、買収に興味を示していたのはアマゾンだけにとどまらず、Google やマイクロソフトなど錚々たる企業の名前も挙がっていました。
これだけ業界を騒がせている Slack の魅力とはなんでしょう。
同アプリがビジネスで重宝される理由の1つに、優れた統合機能があります。
Slack は、例えば、Google Drive, ZenDesk、Salesforce、Dropbox など、現在多くの企業が利用している人気システムとの統合が可能となっています。
パワフルな検索機能、グループでのビデオ機能など、業務の効率化には欠かせない機能が揃っているほか、簡単にグループを作成したり、プロジェクト管理が行いやすい環境に構築されているため、気軽に導入しやすいのも人気の秘訣です。
マイクロソフトのTeams
Slackの大きな競合サービスの1つが、マイクロソフトが開発した Teams です。
マイクロソフトは、Slack の買収に興味を示していた時期もありましたが、ビル・ゲイツ氏がSlack を買収するよりも、自社のSkype for Business の改良にフォーカスすべきだとし、反対したと言われています。
同社は結局自社にて、チームが集まって作業できるハブ – Teamsのアプリを開発しました。
Teamsは、マイクロソフトの Office 365に含まれるチャットベースのワークスペースです。
同プラットフォーム上では、ワークプレースのチャット、会議機能のほか、同社のExcelやSkypeとの統合も可能となっています。
現在同社では、Skype for Business のユーザーが Teams へ移動できる機能を取り入れており、多くのビジネスユーザーを Teamsのトライアルに誘導しています。
1つの場所でチームが効率的にワークコラボレーションできるように、新機能は随時追加されており、今後ますますパワフルなチームワークのハブとなっていくことに期待できるでしょう。
フェイスブックのWorkplace
米国フェイスブックは、ビジネス向けのソーシャルメディアで、中小企業から大手までチームが繋がってワークコラボレーションできるプラットフォームを開発しました。
現在、スターバックス、ドミノピザなどのグローバル企業をはじめとする3万社が、Workplaceを社内のコラボレーションツールとして利用しています。
同システムは、ソーシャルメディアがメインですが、チームのコラボレーションツールという視点では、マイクロソフトのTeamsやSlacks とターゲット市場が重なっており、競合社となります。
利用は、アクティブユーザー1人につき3ドルというシンプルな料金体制を採用しており、他社と比較すると安価なのが大きな魅力の1つです。
将来はメッセージングアプリがコアシステムに?
大手IT企業の多くが最終ゴールとしているのは、対話型インターフェイスの標準化です。
現在私たちは、とてもエキサイティングなパラダイムシフトの真っ只中にいるのです。
参考サイト:
https://www.wired.com/story/why-workplace-instant-messaging-is-hot-again/
https://www.theatlantic.com/technology/archive/2017/06/why-would-amazon-want-to-buy-slack/530430/
https://www.usatoday.com/story/tech/news/2017/06/15/report-amazon-others-looking-buying-slack/102878584/