2018年2月28日、ついに米国Google が、「Hangouts Chat」 を一般企業向けにリリースしました。
Hangouts Chat は、企業向けのメッセージングアプリケーションとして、2017年、同社の Google Cloud Next 2017にて発表されましたが、これまではアーリーアダプタープログラムのユーザー限定で提供されていました。
今回の正式リリースにより、Hangouts Chat は本格的にG Suiteコアシステムの1つとして標準で提供されるため、同ビジネスサービスに登録している企業は追加料金なしで利用できるようになりました。

G Suite は、Eメール、クラウドファイルシェアリング、ビデオ会議などさまざまなサービスを提供しており、今回の Hangouts Chat のリリースで、同サービスのラインアップはさらに強化されました。
現在、ビジネス向けのメッセージングアプリケーションは、Slack をはじめ、マクロソフトの Teams、フェイスブックの Workplaceなど続々とリリースされており、注目の市場となっています。

エンドユーザー間のトレンドは、ソーシャルメディアからメッセージングへと移行し、近年はメッセージングアプリ (= チャット) がコミュニケーションツールのメインストリームとなっています。
そして今、メッセージングアプリは企業にも浸透し始めています。
先進企業をはじめ、多くの企業がメッセージングアプリケーションをチームとのコラボレーションやコミュニケーションに導入し始めることで、社内のワークフローが変わろうとしています。

今回は、先日リリースされたばかりのHangouts Chat の詳細についてご紹介いたします。

コミュニケーションの効率化

Hangouts Chat は大企業向けにデザインされており、各チャットルームは8,000人のユーザーまで利用可能となっています。
チャットでのやり取りから、必要に応じて Face-to-Face での会議を開始したり、チームでのコラボレーションワークを効率的に促進します。
また、会議用に共有可能なウェブアドレスを生成するため、会議への参加者はアプリやプラグインなどのダウンロードをせずに、どこからでも会議に参加できます。

Hangouts Chat は、G Suite上にて提供されており、ドライブからファイルをアップロードしたり、ドキュメント、スプレッドシート、スライドなどを共有したり、コラボレーションが可能です。
さらに、Googleに構築されている検索機能を利用し、チャット履歴から過去の会話やファイルも検索できるので、チームの業務効率を格段にアップできるでしょう。
現在のところ、28言語にて提供さており、ウェブ用アプリケーションのほか、アンドロイドとIOS用のアプリも存在します。

AIボットの活用

必要に応じてデベロッパーは、オリジナルのボットを作成し、1対1のチャットから、グループのチャットルームにも活用できます。
現在ボットはカスタマーサポートに採用している企業が増えていますが、企業内での業務においてボットを利用すれば、仕事の効率向上を図れるでしょう。

人気ビジネスソリューションサービスとの統合性

Hangouts Chat は、既に多くの人気ビジネスアプリケーションと統合が可能となっており、これらのビジネスアプリを利用している企業には、とても使い勝手が良くなります。
カスタマーサポートシステムとして絶大な人気を誇る Zendesk や Freshdeskに、クラウドストレージの Box、会計ソフトの Intuit、ほかにも Salesforce、RingCentral、Kayak などのソリューションプロバイダーとパートナーシップを組んでいます。

セキュリティの強化

企業での利用となると、さまざまな社内コミュニケーションが交換され、社内文書が共有されるため、セキュリティの強化は必須です。
Hangouts Chat には、モバイルデバイスマネージメント、シングルログイン、2段階認証などが採用されており、最新の企業グレードのセキュリティで、どのデバイスからも安全にメッセージが送れます。

おわりに

統合性の高いシステムを構築できれば、無駄のないパフォーマンスが可能になります。
社内にて、このようなメッセージングシステムを導入することで、スピード感のある、ダイナミックなチームワークを実現できるでしょう。

参考サイト：
https://gsuite.google.com/products/chat/
https://www.cnbc.com/2018/02/28/google-hangouts-chat-slack-competitor-available.html