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2019年には3兆円規模に?越境Eコマースの参入前に必ず準備すべき4つのこと

2017.07.19

トレンド情報

近年、インターネットの普及によりウェブショッピングの世界では、国境は存在しなくなりました。
現在は、海外に実店舗を持つ必要もなく、どんな規模のビジネスも、簡単に海外に向けて販売できる時代です。

経済産業省が、2017年4月24日に発表した日米中3ヵ国間の越境電子省取引の市場動向によると、2016年の米国消費者による日本及び中国からのEコマースによる購入額は、1兆円でした。
これは前年の 7.5%増になります。
また、中国の消費者による日本及び米国のEコマースからの購入額は、2.2兆円で、前年のなんと 32.6%増にもなりました。
これらの数字は米国と中国からの購入額のため、ヨーロッパや他国からの購入額を含めば、さらに大きな額になるでしょう。

ここでは、言葉も習慣も異なる海外顧客のハートをつかんで、売上げに繋げていくためにも、企業が越境Eコマースに参入する前に、必ずクリアーしておくべき点についてご紹介致します。

越境ECを成功させるには、これら4つを完璧に!

言葉の壁はつくらない – ウェブサイトのローカリゼーション

海外向けに販売を開始する前に、まずすべきことの一つにウェブサイトのローカリゼーションがあります。
海外から顧客が購入する際に、まず不安になるのは言葉の壁です。
日本のウェブサイトから購入したい商品を見つけても、言葉の通じない国から商品を購入することに、不安を持つ顧客も多いでしょう。

こういった顧客の不安を取り除くためにも、商品説明はもちろんのこと、よくある質問集やサービス規約など、ウェブサイト全体をターゲット国の言語に翻訳することは必須です。
10年前と比べて、マシン翻訳の技術はとても進化しましたが、まだまだ人が行う翻訳の技術には及びません。

ブラウザーの自動翻訳やマシン翻訳に頼っているウェブサイトもよく見かけますが、可能な限り経験のあるウェブコンテンツ専門の翻訳者に依頼し、ウェブサイトすべてをターゲット言語に翻訳しましょう。
完全に翻訳されているウェブサイトと、翻訳されていない、もしくは不完全な翻訳サイトでは、セールスに大きな違いが出てくるでしょう。

最後の最後で離脱させない!海外顧客フレンドリーな決済オプションを導入

一般社団法人日本クレジット協会が実施した不正利用による実態調査によると、2016年の被害総額は141億円にも上っています。
このような理由もあり、特にリスクの高い海外発行のクレジットカードは、受け付けていないウェブサイトもよく見かけますが、これでは海外からの注文を逃してしまいます。

いざ顧客が商品の購入を決め、ショッピングカートに入れたにもかかわらず、決済ができずに購入をあきらめざるをえないということがないよう、海外顧客に馴染みのある決済プランを取り揃えておくことは不可欠です。
最近では、クレジットカードの不正検知サービスなどを提供している決済代行会社もあるので、不正利用を防ぐための周到な準備を行った上で、導入準備を進めていくとよいでしょう。

クレジットカード決済のほかに、世界で最も利用されている電子決済会社 Paypal ペイパルは、必ず導入すべき決済オプションです。
同決済サービスの最大の利点は、顧客側がマーチャント側にクレジットカード情報を提供せずに、クレジットカードで支払いを済ませることができることです。

同社が導入しているシステムは、世界最高水準の暗号化通信を採用しているため、顧客が安心して利用できるのが魅力のひとつです。
日本でも楽天をはじめ、ユニクロや東急ハンズなどの大手ウェブショップが導入しており、近年は日本でも人気の決済オプションになってきています。

トラブルが発生しやすい海外発送は慎重に

世界基準で見ると、日本の郵便システムは大変優秀で信頼できます。
残念ながら、発送先の国で日本と同様の優れた配送サービスを受けられると思うのは間違いです。

例えば米国の郵便局は、署名の必要のない小包は、不在の場合も配達し玄関に放置するため、郵便物の盗難は日常茶飯事に起こります。
お国柄もあり、雑な取扱いが破損の原因になる場合もあります。

このような郵便トラブルはクレームの元になるため、発送方法は慎重に決定しましょう。
郵便局では、国際スピード便のEMSをはじめ、エコノミーのSAL便や船便が選べますが、配送日数や保証内容などを比較した上で厳選する必要があります。

また国内の配送会社であるヤマト運輸や佐川急便なども、海外配送を行っており、これらの海外支社によって配達されるため、郵便局の配達と比較すると、紛失や破損のリスクは下がります。
出荷する荷物のボリュームが多い場合には、送料の交渉が可能になる場合もあるため、海外への発送が増えてきた際に導入を考えるのも良いでしょう。

集客と人気マーケットの利用

これらすべてを完全に準備したウェブサイトであっても、海外からのウェブトラフィックがなければ、セールスは発生しません。
特に特殊な商品を取り扱っていない限り、サーチエンジンのオーガニック検索だけに頼っていては、大きなトラフィックは見込めないでしょう。
Pay-Per-Click などのデジタル広告を利用するのも一つの方法ですが、パワフルなマーケティングに頼る必要がある場合は、ショッピングモールに出店するのも一つの方法です。

楽天が海外向けに提供している Rakuten Global Market や、世界大手のオークションサイト Ebay などに出店すれば、広告費用が限られている企業も、効果的に集客できるためメリットは大きいでしょう。
各サービスが提供している機能とその費用を徹底的に比較し、各ウェブショップに最もプロフィタブルな販売方法を見つけることをおすすめします。

最後に

最近では、越境Eコマースに必要な、多言語や各国の通貨に対応した機能を装備したショッピングカートシステムが、数多く提供されています。
これらのサービスは、自社で各機能を装備する対応能力がない場合に、利用価値があるでしょう。
言語、決済方法、配送方法、集客、これら4つを完全にクリアーしたうえで、巨大な海外市場に参入することで、売上げを大きくアップさせるチャンスが生まれるでしょう。

参考サイト:
http://www.j-credit.or.jp/download/news20170630.pdf