越境ECとは何か? 販路拡大を実現するための海外向けECサイトの戦略
2018.10.31
トレンド情報「越境EC」という言葉をご存知でしょうか? 詳しくは本文中で解説しますが、簡単に言えば海外向けにもオンラインショップを対応することです。
本記事では今注目を集めている「越境EC」についてご紹介します。2020年の東京オリンピックに向けて日本製品の需要拡大が予想されるので、商機を逃さないように「越境EC」をぜひ検討してください。
越境ECとは?
「越境EC」は、国内にとどまらず海外での通信販売にも対応するオンラインショップのことです。国境をまたいで通販事業を行うことから「越境EC」と呼ばれています。
近年は日本への関心が高まり、訪日する海外旅行者が急増中です。日本製品の質の高さは海外でも高く評価されているため、海外向けにも通信販売を行う「越境EC」が注目されています。
帰国後の商品購入を狙った「越境EC」の戦略
日本での旅行から帰国した旅行客が、オンラインで商品を購入するケースが増えているのをご存知でしょうか?
旅行中に購入すると荷物になる商品はオンラインで購入しておくと移動が楽にできるので、訪日中に商品の実物を見ておいて、帰国後に購入する方が増えています。帰国後に再び購入したくなった商品をオンラインで注文する方も多いようです。
そうした旅行客を狙うことでECサイトの販路拡大が期待できます。大きな商品やお土産を海外からも発注できるようにすれば訪日中の購入を諦めていた顧客にアプローチできますし、リピート購入してもらえれば固定客増加にもつながるでしょう。
逆の立場になって考えてみると「越境EC」のメリットがよくわかります。
日本から海外旅行に行った時に、すごく気に入った食べ物や生活用品があればまた買いたいと思いますよね。でもオンラインで購入できない商品である場合、そのために海外まで行くのは時間もお金もかかるので諦める方が大半でしょう。
そこに「越境EC」で日本にいながら注文できることを知れば、利用しようと考える方は多いのではないでしょうか。それを国外の顧客に対して行うのが海外向けの「越境EC」です。
国によって異なる日本製品の需要に合わせた「越境EC」
「越境EC」は国によって異なる需要に合わせるのがポイントです。
たとえば中国では、「爆買い」という流行語が生まれたように日本の食料品や生活用品をまとめ買いする方が多い傾向にあります。中国だけでなくアジア圏では日本の食料品や生活用品が人気です。
ベトナムでは日本の家電製品が人気ですし、美容大国であるタイは日本の化粧品が人気であるため、同じアジア圏でも需要のある商品のジャンルが異なります。
このように国別の需要と市場規模を細かく分析していくと、どのような商品を「越境EC」に加えるべきかが見えてくるでしょう。
実店舗よりも「越境EC」の方が展開しやすい
海外向けにECを展開するには現地の言語に対応しなければいけませんが、「越境EC」であれば現地で実店舗を持つよりも運営がしやすいです。
たとえば英語圏であれば英語のわかるスタッフを雇い、海外からの問い合わせや発送業務を担当してもらえば「越境EC」の運営が可能となります。海外で勤務してもらうわけではないので、雇用の面でも現地の実店舗と比べてハードルが低いです。
東京オリンピックに向けた「越境EC」
2020年に開催される東京オリンピックでは、多くの外国人観光客による国内での買い物が期待されます。東京オリンピックが終わって帰国した旅行客に対応するために「越境EC」を今から検討しておいたほうがよいでしょう。
上述したように「越境EC」は帰国後に日本製品をオンラインで購入する旅行客、または帰国後にリピート購入してくれる旅行客からの需要が期待できます。特に東京オリンピック開催後は海外からの需要が伸びると予想されるため、販路拡大のチャンスを逃さないように「越境EC」の対応を考えてみてください。
おわりに
日本製品への関心が高まっている今、「越境EC」は日本の企業にとって大きなチャンスです。海外で販路拡大するには、東京オリンピックでいかに日本製品の良さを知ってもらうか、そして海外からも手軽に注文してもらえるように対応するかがポイントとなります。
東京オリンピックはあと2年と迫っていますので、この機会に「越境EC」を本格的に検討してみてはいかがでしょう?