チャットbotとAIアシスタントは何が違う?意外と知らない2つの違いを解説
2018.06.28
トレンド情報チャットbotもAIアシスタントも非常に身近な存在で、使ったことがある方は多いことでしょう。でもチャットbotとAIアシスタントはどう違うのか? という問いに正確に答えるのは難しいですよね。
そこで本記事では、チャットbotとAIアシスタントの違いについて解説します。この2つは一体なにが違うのか? 気になる方はぜひご一読ください。
チャットbotとは?
「チャット(chat)」は「雑談、おしゃべり」という意味で、「ボット(bot)」は「ロボット(robot)」を語源としています。チャットbotは簡単に言えば「会話を行うロボット」のことです。
チャットbotはロボットがテキストや音声で人間と自動で会話を行うもので、その歴史は非常に古く、1966年に登場した「ELIZA(イライザ)」がその始まりと言われています。
チャットbotにはいくつかタイプがありますが、設定された回答をユーザーが選択して会話をする「選択肢型」が一般的です。「選択肢型」のチャットbotでは定義されていない問いには返答できないため、「ルールベース(人工無脳)型」とも呼ばれます。
他には会話のログを元に応答する「ログ型」、登録された単語で応答する「辞書型」などがあります。「ログ型」は会話量が増えるほど応答できる範囲が広がるため、機械学習との相性がよいです。
チャットbotは従来では人間が対応していた問い合わせを代行する目的で導入され、カスタマーサポートやヘルプデスクの負担軽減に活躍しています。
AIアシスタントとは?
AIアシスタントは、AI(人工知能)によって個人のタスク(用事)をサポートする機能です。インテリジェンスアシスタント、パーソナルアシスタント、バーチャルアシスタント、デジタルアシスタントなど様々な呼び方がありますが、基本的にはどれも同じ機能を指すものと解釈して問題ありません。
代表的なAIアシスタントは、Apple社の「Siri」、Google社の「Google Assistant」、Amazon社の「Amazon Alexa」、Microsoft社の「Cortana」などです。
AIアシスタントは音声認識技術によって音声での操作が可能となっています。たとえばiOSに搭載されている「Siri」は「Hey Siri」と呼びかけることで起動し、音声によって音楽の再生を指示したり検索をさせたりすることが可能です。
現在のスマートフォンにはAIアシスタントが搭載されているのが当たり前になっていますし、「Amazon Echo」や「Google Home」といったスマートスピーカーにも搭載されています。
チャットbotとAIアシスタントの違い
チャットbotにもAIが導入され始めているため、人工知能の有無という点でAIアシスタントとの違いを定義するのが難しくなっていますが、ひとつ大きな違いを示すのであれば導入される目的にあると言えるでしょう。
チャットbotはカスタマーサポートやヘルプデスクの業務代行を目的に導入されることが多いです。問い合わせに自動で応答することで企業側の負担を減らすことにつながりますし、ユーザーにとっても人間相手に対話するより気軽に問い合わせができるというメリットがあります。
対してAIアシスタントはスマートフォンやスマートスピーカーなどに導入され、個人の用事をサポートするために存在します。企業向けではなく個人向けに存在するのがAIアシスタントであると言えるでしょう。
チャットbotは進化している
上述したようにチャットbotにAIが導入されるなど、1960年代にELIZAが登場した時よりも遥かに進化しています。近年のAI技術の進歩はめざましく、チャットbotもその恩恵を受けていると言えるでしょう。
従来は「人工無脳」と呼ばれるルールベースのチャットbotが主流でしたが、今後は顧客の問い合わせに柔軟に対応できるAI搭載のチャットbotが台頭することが予想されます。人間が対応するのと比べるとチャットbotはまだまだ不自然さが残りますが、AI技術がもっと発達すれば相手がロボットあること気づかないくらい自然な会話ができるようになるでしょう。
おわりに
FacebookやLINEがチャットボットプラットフォームを公開するなど、いまチャットbotは非常に注目されています。もう5年もすればもっと進化をして、もはや人間と区別がつかないほど自然な会話ができるようになっているかもしれません。
チャットbotはいまやカスタマーサポート業務の効率化に欠かせない存在となっています。AIアシスタントとの違いを理解した上で、チャットbotの導入を検討してみてはいかがでしょう。