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注文前から出荷準備?次の購入を既に予測!

2017.07.20

トレンド情報

Eコマースの業界最大手 – アマゾンや楽天 – は、常に進化し、”昨日のアイデアが今日のスタンダード” になるような新しい挑戦を続けながら、日々さらなる成長を遂げています。
アマゾンドットコムを頻繁に利用している人なら、同社の配達スピードがどんどん速くなってきていることに気付いているのではないでしょうか。
特にプライム会員が、プライムマークのついた商品を選ぶと、午前中に注文した商品が、夜には配達されたり、夜遅くに注文しても、翌日の午前中には配達されたり、その配達のスピードには感動さえ覚えてしまいます。

このような配達スピードの向上は、顧客満足に直結します。
注文から出荷するまでにかかるプロセスをいかに早めて、配送スピードを改善できるか、これがここ数年アマゾン社が最も力を入れている課題の一つです。

今回は、これらの世界トップEC企業が、現在検討している、もしくは既に導入済みの画期的な取り組みについてご紹介致します。

Eコマースのパワーハウスの画期的な取り組みとは?

特許まで取得したアマゾン社の予測配送システム

米国アマゾンドットコム社が、2013年に 「 予測配送 」 システムと呼ばれるメソッドの特許を取得したのは、まだ記憶に新しい人もいるでしょう。
これは、顧客の注文前から次の注文を予測し、予測した商品を配送先の住所指定はせずに、その顧客の地域へ向けて出荷するというシステムです。

同システムは、顧客の過去のブラウジング履歴から、特定の商品を閲覧した時間、ショッピングカートに入れたのに未購入になっている商品、欲しいものリストに登録している商品などから顧客の購入傾向を分析し、次の購入を予測することで、最短の配達時間を実現させます。

いつ読んでもいいと思っている小説を購入したときに、配送にかかる日数はあまり気にならないかもしれません。
しかし、今すぐにでも必要な頭痛薬、もしくはタイムセンシティブなお誕生日プレゼントの配達を待つ時間は、長く感じるものです。
アマゾン社は、このギャップを埋めることで、競合社に大きな差をつけようとしています。

アマゾンフレックス – 独自のドライバーを募集

2015年に米国アマゾンドットコム社は、Amazon Flex と呼ばれる配達プログラムを開始しました。
これはアマゾン社独自で、Amazon Prime Now の商品配達用の契約ドライバーを雇用し、配送スピードをアップさせる新しい試みでした。
同配送システムは、本社のあるシアトルで試験的に実施後、2017年7月現在、全米で30都市以上で展開されています

アマゾンとパートナー契約したドライバーは、時給 18USD ~ 25USD が支払われ、フレキシブルに組んだスケジュールの中で、自分の車で配達を行います。
当初、セキュリティ面が懸念されていましたが、パートナー契約するドライバーの身元調査を徹底的に行うことで、顧客が安心できるシステムを採用しています。

楽天自社配送システム

配達スピードを改善させるために、新しい試みを行っているのは、アマゾンだけではありません。
楽天では、2015年8月に 「楽びん」 と呼ばれる配送システムをリリースしました。
これは、アプリを使って人気のレストランやLAWSON から注文をすると、最短20分で配達されるというシステムで、急いで何か必要なときには、とても便利なサービスです。
残念ながら、2017年7月現在、サービス利用地域は都内一部のエリアに限定されているため、今後、全国展開されることを期待しましょう。

小包みが空から飛んでくる日はそう遠くない?

米国アマゾンドットコム社は、2013年にドローンを使った配達を計画していることを発表しこの数年、実験を重ねてきています。
今日現在、まだ試験的にしか利用はされていませんが、近い将来ドローンを使ってどんな場所でも30分以内に配達ができるシステムを構築すると発表しています。
実際に2017年5月に同社では、パラシュートが内蔵された配送ラベルの特許を取得しています。

さらに、6月にはドローンが配達を行う際の拠点となる、まるでハチの巣のような近未来型配送タワーの特許を取得しました。
このタワーは筒型のドームになっていて、ここからドローンで荷物を飛ばすのがアマゾンドットコム社の構想のようです。

2017年1月に東京で行われた 「楽天新春カンファレンス」 の公演では、楽天の三木谷浩史社長も、ドローンを利用した配送例を挙げています。
空の上から小包が飛んでくるという、まるでSF映画のような光景を目にする日も近いかもしれません。

これからのECビジネス

この20年近く、Eコマースビジネスをリードしてきた米国のアマゾンドットコム社と日本の楽天社は、ウェブリテールビジネスの在り方を変えてきました。
今後、これまで人の力では分析できなかったビッグデータが、AI(人口知能)の活躍により分析され、それらのデータがビジネスでどのように利用されるのか、益々注目が集まるでしょう。

参考サイト:

https://flex.amazon.com/
http://money.cnn.com/2017/06/23/technology/amazon-drone-beehives/index.html
https://netshop.impress.co.jp/node/3975