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対話アプリでいじめやセクハラ相談も可能に

対話アプリを使ったさまざまなビジネスサービスがリリースされる中、いじめやセクハラなどの不適切行為を抑止するためのアプリも開発されました。
本日ご紹介するのは、いじめに悩んだ15歳の少女の自殺がきっかけとなり開発された匿名リポートアプリ「STOPit」です。

同アプリを使えば、匿名でいじめの報告や相談を行え、画像やビデオも添付できるため、言葉だけの証言と比べ証拠の写真や動画があることで報告内容にも説得力が生まれます。

いじめ問題は、日本をはじめ海外でも深刻な問題となっています。
特に最近ではSNSやインターネットを介したサイバーいじめが主流となっており、多くの子どもたちがその被害者となっています。

いじめの被害を受けている子どもたちは報復を恐れ、いじめられている事実を両親や学校の教師たちに相談することもできず、1人孤独に思い悩んでいるのが現状です。
多くの子どもたちが普段利用しているスマートフォンを使って、匿名でまわりの大人や教育機関の人間に相談し、通報できるシステムがあれば、これまでは明るみに出せなかったいじめ問題を抑止するチャンスが生まれます。

また、クラスメイトがいじめられているのを知りながら、いじめが自分に向けられることを恐れて通報できず傍観者のままでいる子どもたちもいるでしょう。
同アプリを使えば、匿名で簡単に通報できるため、これまで “通報” する勇気がなかった子どもたちに行動するチャンスを与えます。

問題が深刻になる前の早い段階で、問題を認識し対応すれば、事態を変えていくことができるかもしれません。

不適切行為はアプリで通報

STOPit 導入の柏市の場合

千葉県柏市教育委員会は2017年5月に同アプリを導入し、7月までの2ヶ月間に昨年1年間の電話相談の2倍にあたる48件もの相談があった報告しています。
この数字から見て、スマートフォン経由で相談することは、子どもたちにとって電話やEメールよりもハードルが低いことがわかります。

同アプリでは報告や相談が届けられる受信先は、生活指導の先生や教頭先生など自由に設定できる仕組みとなっています。
柏市の子どもたちからの通報や相談は市教員委員会に届くようになっており、学校ごとに与えられているアクセスコードによって通報や相談がどの学校のどの学年から来ているかが判別できるシステムになっています。

企業内でのセクハラにも使える

同アプリはいじめだけではなく、企業向けにも展開しており、各種ハラスメント、不正行為、差別などの匿名通報にも利用できます。
いじめと同様、企業内で通報が難しい状況でも、「STOPIt」を導入すれば、従業員と企業担当者が匿名でコミュニケーションを行えます。

2015年には広告代理店最大手の社員が、過労自殺し大きなニュースになりました。
このような事件をまた起こさないためにも、企業は不適切な行為や労働基準法に反するような労働があった場合に、従業員が匿名で相談や報告できるアウトレットを設ける必要があるでしょう。

クレームは一元管理

同アプリの DOCUMENTitは、組織担当者向けクラウドベースの管理ツールです。
利用する各組織ごとにカスタマイズ可能で、担当者やアラートの設定、エスカレーションなどを行えるため、相談や通報を一元管理できます。
クレーム状況を確認したり、上層部へ提出する報告書の作成もできます。
またデータをまとめることで、クレームの傾向が分かるため、同じような問題が発生する前にスピーディな対策を行えます。

おわりに

学校ではサイバーいじめ、仕事場ではサイバーストーキングなど、 “オンライン”の力を借りてハラスメント行為をするケースが増えてきています。

被害者や傍観者が行動を起こさなければ、事態はさらにエスカレートするかもしれません。
誰かの不適切な言動は、罪のない人たちを傷つけ、場合によっては取り返しのつかない事態を招いています。

法にふれていない場合でも、人を心理的に追い込んだ末、彼らが自らの命を絶つようなことがあれば、それは犯罪と言えるかもしれません。
このようなモラルの高いアプリが増え、不適切行為が妨げられる世の中になっていくことを切に願うばかりです。

参考サイト:

http://www.stopit.jp/
https://www.nikkei.com/article/DGXLASDG22H6A_U7A820C1CC0000/