【ファウンダー日記】「なにを遺せますか」建造物 その2

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毎日、神田近辺から京橋・銀座辺りまで通っているが、その道すがら気になった遺産的な建物について紹介したい。

前回は神田の優雅な建物・丸石ビルの物語であったが、今回は江戸橋の三菱倉庫・旧本社。このビルも1930年の竣工で、戦火を免れている。
同ビルは昭和通沿いにあり、兜町にも隣接しているので、わりと知られた建物だ。
2011年に旧ビルの解体工事に着手し、高層オフィスビルに建て替えて2014年8月に完成の予定との案内板。
日本初のトランクルームを設けたビルで、東京都選定歴史的建造物でもある。
よって、建て替えも、低層階の7割方は残しながら、高層部を立ち上げるという工夫をしている。

解体工事前に張られたシートを見てびっくりたまげた記憶がある。

この外壁シート、見事に従来のビルの姿を映し出している。そして、前のビルの形は残しますよと主張している。

私は思わずシャッターを切った。
2年前のことだ。

この時思いだしたのは、野村証券のロンドン/シティー進出時のこと、古いビルを取り壊し高層のガラス張りのビルに建て替えようとした事件だ。
なぜ事件かというと、当局から工事差し止め命令が出たからだ。
結果的には旧ビルの外壁を遺した建造物で許可が出たらしいが、80年代の事ゆえ私の記憶も定かではない。
そのシティーも今や高層ビルが立ち並んでいるとのことだが…
ひと月程前にチェックしたら、写真の様に高層ビルもほぼ出来上がっていた。今は、もうそろそろ完成に近づいているはずだ。

一部にまだ外壁シートが残っていたが、パッと目には壁かシートか見分けがつかないくらい見事なもので、改めて感じ入った。

低層部は本社オフィスとなり、高層部はで賃貸オフィスになるとかで、「貸すことがビジネス」を徹底している倉庫会社らしい。

船橋をイメージしたという塔も遺される大切なシンボル。

工事の案内板にはこんな絵も…明治のころの「江戸橋三菱の荷蔵」
同じく重要文化財である高島屋・日本橋店の外装工事。

昨年撮った写真だが、三菱倉庫のそれに比べると、メルヘンチックな「だまし絵」シートになっていた。(紙バッグのデザインと同じ)

次回紹介の建物は、これも誰でも知っている明治屋だ。
周りは高層ビルに建て替えられるが、ここだけは遺そうという試みをチェックしたい。

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